ゴライアス (戦艦)

イギリス海軍戦艦ゴライアス（HMS Goliath）

ゴライアスは、イギリス海軍が建造したカノーパス級戦艦の一隻です。1897年に起工され、1900年に就役しました。第一次世界大戦では、その初期から終焉まで、様々な海域で作戦に従事しました。その艦歴と悲劇的な最期について詳しく見ていきましょう。

起工から第一次世界大戦勃発まで

1897年1月4日、ゴライアスはチャタム工廠で起工されました。1898年3月23日に進水し、1900年3月27日に就役しました。就役後は、平時における艦隊運用に参加していました。1914年8月に第一次世界大戦が勃発すると、予備役となっていたゴライアスも現役に復帰し、海峡艦隊の第8戦艦戦隊に編入されました。当初は、グランドフリートの泊地警備に当たり、その後、ベルギーのオーステンデへの上陸作戦を支援しました。

東インド洋での活動

1914年9月20日、ゴライアスは東インド艦隊に転属となり、ペルシャ湾やドイツ領東アフリカ方面へ向かう船団護衛に従事しました。また、ドイツの巡洋艦ケーニヒスベルクの封じ込め作戦にも参加しました。1914年11月には、ダルエスサラームへの砲撃を実施しています。1914年12月から1915年2月にかけては、南アフリカのサイモンズタウンで修理を受け、その後再びケーニヒスベルクに対する作戦に戻りました。

ダーダネルス海峡への派遣

1915年3月25日、ゴライアスはダーダネルス海峡へ派遣されることになりました。1915年4月1日に出発し、ダーダネルス作戦に加わりました。4月25日のヘレス岬への上陸作戦では、Xビーチへの上陸を支援する艦隊の一員として参加し、オスマン帝国軍の要塞からの砲撃で損傷を受けました。その後、第1次クリチアの戦いでは上陸部隊を支援し、4月26日の撤退作戦も援護しました。5月2日には、再びトルコ軍の砲撃により損傷を被りました。

悲劇的な最期

1915年5月12日から13日の夜、ゴライアスは戦艦コーンウォリスや駆逐艦と共にヘレス岬沖のモルト湾に停泊していました。5月13日午前1時頃、トルコの駆逐艦ムアヴェネティ・ミッリイェが接近し、魚雷攻撃を行いました。2本の魚雷がゴライアスに命中し、艦は急速に傾斜し始めました。90度まで傾いたところで3本目の魚雷が命中し、ゴライアスは完全に転覆し沈没しました。この攻撃で、艦長を含む乗員570名が犠牲となりました。ムアヴェネティ・ミッリイェは、この攻撃を無傷で脱出しました。

ゴライアスは、その短い生涯の中で、第一次世界大戦における様々な海戦に参加し、その役割を果たしました。しかし、ダーダネルス海峡での作戦中に、魚雷攻撃によってその生涯を終えることになりました。その最期は、多くの犠牲者を伴う悲劇的なものでしたが、その存在は、イギリス海軍の歴史において重要な一頁として記録されています。

もう一度検索