ゴルゴ13 (1973年の映画)

映画『ゴルゴ13』について

概要

『ゴルゴ13』は1973年に公開された、日本とイランの合作映画です。この作品は1973年に製作された初の実写映画化であり、主演に高倉健、監督に佐藤純弥が起用されました。製作は東映とイラン映画会社が共同で行い、シネマスコープ（2.35:1）での撮影が特徴です。全長104分の本作は、当時の社会情勢を反映したストーリーが展開されます。

ストーリー

本作の物語は、ある国の秘密警察が国際犯罪組織のボス、マックス・ボアを逮捕しようとするところから始まります。警察はボアがイラン国内にいるとの情報をもとに捜査員をテヘランに送り込むのですが、捜査員たちは次々とボアの手下に命を狙われ、惨殺されてしまいます。ボアは特に多くの影武者を抱えており、彼の実像は誰も知りません。

警察部長のフラナガンは、実力を持つ殺し屋・ゴルゴ13にボアの暗殺を依頼します。報酬は50万アメリカドルという高額で、ゴルゴ13はテヘランに潜入します。そこで、秘密警察の女捜査員キャサリンが彼を追うことになりますが、ボア一味もまたゴルゴ13の存在を察知し、彼を捜し回ります。

ストーリーが展開する中で、ゴルゴ13の協力者である私立探偵エグバリがボアの秘密にアクセスするも、彼は一味に暗殺されてしまいます。ゴルゴ13はエグバリの殺害容疑をかけられ、市警に追われつつもボアのアジトを探り続けます。

さらに、テヘランでは女性の行方不明事件が多発し、市警のアマン警部の妻シーラまでもが拉致される事態に。これにより、事件がますます複雑化していきます。

クライマックス

ゴルゴ13は影武者に騙され、何度も命の危機にさらされながらも、ボアの手下との接触を続けます。彼はダグラスと呼ばれるボアの手下を捕らえることで、組織の人身売買の実態を知ることになります。ゴルゴ13は数々の戦闘をくぐり抜け、ボアのアジトを突き止めますが、ここでも新たな策略に直面します。

ボアは人質を人質にとったうえで、ゴルゴ13をおびき出すため、真剣勝負を申し込みます。ゴルゴ13は決して屈しない姿勢を貫きながら、様々な危険な状況に立ち向かいます。特にボアとの最終対決が迫るにつれ、緊張感が高まります。

最終的には、ゴルゴ13がボアに狙撃し、逃げるボアを逆に追う形になります。昼間の湖畔でボアがその命を落とし、物語は静かに幕を閉じます。

出演者

この映画には高倉健以外にも多くの外国人俳優が出演しています。高倉健はゴルゴ13役を演じ、その存在感を存分に発揮しました。本作に登場するキャラクターたちは、物語の緊迫感を高める役割を担っています。

制作背景

映画『ゴルゴ13』は、監督と製作側の意向によってイランロケが行われました。パフラヴィー朝時代のイランで撮影されたため、当時の文化や社会を映し出す貴重な映像資料としても注目されています。撮影には困難な面もありましたが、結局は高倉健が演じることで、日本の映画として多くのファンに支持される作品となりました。

映画の評価と影響

公開当初は、その異色な試みから様々な評価を受けましたが、後年には日本映画史において重要な位置を占める作品として語り継がれています。多くのファンに愛され、続編や関連作品も作られるきっかけとなったこの映画は、現在でも色褪せない魅力を持ち続けています。

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