パフラヴィー朝

パフラヴィー朝の歴史と影響

パフラヴィー朝は、1925年から1979年まで存在したイランの最後の王朝であり、その成立には重要な歴史的背景があります。この王朝は、第一次世界大戦とそれによるカージャール朝の弱体化によって生まれたものです。

パフラヴィー朝の設立

1921年、ペルシア・コサック旅団の指導者であったレザー・ハーンはクーデターを起こし、1925年にレザー・シャーとして即位しました。彼は中央集権化を進め、近代国家の形成を目指して法制度を西洋風に改革しました。その結果、1928年には国際的な不平等条約の撤廃に成功しました。

第二次世界大戦とその影響

第二次世界大戦中、レザー・シャーはナチス・ドイツに親しい政策に転換したことで、イギリスとソビエト連邦によるイランの侵攻を招きました。この結果、1941年に彼は退位を余儀なくされ、その後第2代皇帝としてモハンマド・レザー・シャーが即位しました。モハンマド・レザー・シャーの治世は、イランの国際関係や内部補強の面で様々な課題に直面しました。

クルド人蜂起と国際政治

1945年12月、ソ連占領下のマハーバードで発生したクルド人独立運動はイランにとって大きな問題となりました。ムッラー・ムスタファ・バルザーニーの指導する独立運動は、1946年まで続きましたが、イラン軍の介入によって鎮圧され、バルザーニーはソ連に亡命しました。

モサッデク政権とアーバーダーン危機

1951年、モハンマド・モサッデクが首相に就任し、アングロイラン石油会社の国有化を推進しました。この改革はイランにおける西洋諸国との対立を深め、1953年にはイギリスとアメリカによるクーデターが実施され、モサッデクは失脚しました。この結果、モハンマド・レザー・シャーは再び権力を奪還し、イランの政治構造は大きな変動を迎えました。

白色革命と経済問題

モハンマド・レザー・シャーは1953年から「白色革命」と呼ばれる一連の改革を行い、農業の現代化や工業化を進めました。しかし、急速な経済成長の裏側には深刻な経済危機が潜んでおり、ルーホッラー・ホメイニー率いる反政府運動が台頭しました。ホメイニーは皇帝の独裁的な統治を批判し、1964年には国外に追放されました。これにより、イラン国内の対立がさらに深まりました。

イラン革命の勃発

1979年、ホメイニーがリーダーとしてイラン革命が起こりました。この過程でモハンマド・レザー・シャーはエジプトに亡命し、パフラヴィー朝は崩壊しました。革命後、イラン・イスラム共和国が成立し、国の制度は大きく変わり、かつての王朝の影響は消滅しました。

現代の影響

現在、モハンマド・レザー・シャーの子息であるクロシュ・レザー・パフラヴィーがイランの人権問題や世俗化、民主化を訴え、政治活動を行っています。このことは、パフラヴィー朝の歴史が現代イランにおいてもなお重要な意義を持ち続けていることを示しています。

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