ゴンゾウ 伝説の刑事

『ゴンゾウ 伝説の刑事』の詳細

『ゴンゾウ 伝説の刑事』は、2008年7月2日から9月10日まで、テレビ朝日系の水曜21時枠で放送された日本の刑事ドラマです。この作品は主演の内野聖陽が演じる黒木俊英警部補を中心に、さまざまな葛藤や事件が描かれています。特に注目すべきは、同作品が第27回向田邦子賞を受賞し、2008年9月度のギャラクシー賞をも獲得した点です。

概要

「ゴンゾウ」という言葉は、警察内部での隠語で、能力や経験があっても仕事に力を入れない警察官のことを指しています。また、英語の「gonzo」は風変わりやばか者を意味し、作品のテーマにも関連しています。一般的な刑事ドラマとしての形式をとりながら、「この世界に愛はあるのか」というテーマが繰り返し登場し、脚本を執筆した古沢良太はこれを「刑事ドラマのふりをした人間ドラマ」と述べています。

ストーリー

物語は、警視庁井の頭警察署の会計課に在籍する黒木俊英警部補が主人公です。かつては捜査一課で活躍していたエース刑事でしたが、3年前の事件をきっかけに、彼は仕事に身を入れず、毎日テレビゲームに没頭する日々を送っています。そのため同僚たちからは「ゴンゾウ」と揶揄されます。そんな中、ヴァイオリン奏者の女性が殺害される事件が発生します。この事件は彼女の知人である女性警官が関与していたため、世間の注目を集めることになります。

黒木は先輩刑事の代理として捜査本部に復帰しますが、彼は自らの過去に囚われ、人間関係や感情に苦しむ姿が描かれます。特に、彼の過去には恋人である佐伯杏子の死が深く影を落としており、彼女にまつわる幻影に悩まされます。それに伴い、彼が追う事件の背後に隠された真実も浮かび上がってきます。

物語は単発のエピソードではなく、一人の女性の射殺事件を中心に、それに絡む黒木の過去も明らかになっていく構成となっています。

登場人物

• - 黒木俊英（演 - 内野聖陽）：会計課備品係長。かつては優秀な刑事であったが、過去のトラウマから仕事を放棄している。
• - 遠藤鶴（演 - 本仮屋ユイカ）：新米刑事で、同僚たちからの期待とプレッシャーに苦しみつつも成長を遂げていく。
• - 日比野勇司（演 - 高橋一生）：黒木の捜査本部入りを快く思っていないが、徐々に彼の優れた能力を理解するようになる。
• - 田端ルミ子（演 - 吉本菜穂子）：黒木の部下で事務員。仕事の負担を強いられ苦労している。
• - 佐伯杏子（演 - 池脇千鶴）：黒木の恋人で、彼の人生に大きな影響を与える存在。彼女の死が黒木の行動に影響を及ぼす。

用語解説

• - ゴンゾウ：優れた能力を持ちながらも業務に興味を示さない警察官を指す内部用語。
• - イカヅチ：本作に登場する凶器で、NS33式拳銃を指します。

『ゴンゾウ 伝説の刑事』は、そのストーリーとキャラクターの深みから、多くの視聴者に愛される作品となりました。人間の愛や葛藤を描いた作品として、今なお評価されています。

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