ゴールデンバレー郡 (ノースダコタ州)

ゴールデンバレー郡

はじめに

ノースダコタ州の南西部に位置するゴールデンバレー郡は、アメリカ合衆国を構成する郡の一つです。郡の行政中心地はビーチ市に置かれており、ここが同時に郡内で最も人口が多い自治体でもあります。2010年の国勢調査によると、郡の人口は1,680人であり、これは2000年の1,924人から12.7パーセントの減少を示しています。人口規模は比較的小さく、近年は減少傾向が見られます。

地理

ゴールデンバレー郡は、総面積がおよそ2,595平方キロメートル（約1,002平方マイル）に及びます。この大部分は陸地であり、水域はわずかです。交通網としては、主要な州間高速道路94号線と、ノースダコタ州道16号線が郡内を通過しています。隣接地域としては、北にマッケンジー郡、東にビリングス郡、南にスロープ郡があり、西側ではモンタナ州との州境を接しています。モンタナ州側の隣接郡は、南西にファロン郡、西にウィボー郡です。また、郡域の一部は、自然保護区であるリトルミズーリ国立草原に含まれています。

歴史と命名

ゴールデンバレー郡は、もともと隣接するビリングス郡の一部でした。1910年に行われた住民投票により、独自の郡を設立することが多数の支持を得て決定されました。しかし、この投票結果を巡る法的な争いが発生したため、郡として正式に組織化が実現したのは、投票から2年後の1912年となりました。この地域はかつて、蛇が多く見られたことから「ラトルスネイクフラット」と呼ばれていた時期があります。現在の「ゴールデンバレー」という名称は、1902年に土地測量士の集団が名付けたとされており、これは日光を浴びて金色に輝く草原の様子に由来すると伝えられています。

設立を巡る論争

1910年の郡設立住民投票では、賛成837票、反対756票で賛成多数となりました。しかし、投票結果確定後、その有効性を巡って法廷闘争が発生しました。主な争点は投票の手続きに関するものでしたが、訴訟はノースダコタ州最高裁判所まで争われました。最終的に最高裁判所は、投票結果を覆すほどの問題はなかったと判断し、住民投票の結果を有効と認めました。この最高裁での決着により、ゴールデンバレー郡の設立が確定し、組織化が進められました。

郡内の自治体と社会

ゴールデンバレー郡内には、郡庁所在地のビーチ市のほか、ゴルバ市やセンティネルビュート市といった法人化された自治体が存在します。ノースダコタ州では、自治体の規模に関わらず、法人化されたものは全て「市」（City）と呼ばれます。郡全体の人口は2000年以降減少しており、地方の多くの地域と同様、人口流出や高齢化といった社会的な課題を抱えていると考えられます。

関連人物

この郡に関連する人物として、農民組織「ノースダコタ無党派同盟」の創設者であるA・C・タウンリーや、商業画家として知られるアーネスト・ビゴー・アルムクイストが挙げられます。

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