サイキ (宇宙機)

サイキ計画概要

サイキ（Psyche）は、NASAが主導する小惑星プシケの探査ミッションであり、惑星の形成過程の解明を目指しています。このミッションは、アリゾナ州立大学のリンディ・エルキンス-タンソンが中心となり推進されています。サイキ計画は、ディスカバリー計画の一環として NASA ジェット推進研究所（JPL）によって実施されており、小惑星プシケは鉄とニッケルを主成分とするM型小惑星として知られています。

小惑星プシケについて

小惑星プシケは、直径約252キロメートルと推定され、形成途中の原始惑星が衝突を受けて、その地殻が剥がれ、中心核が露出したと考えられています。このようなプロセスによって、プシケは地球型惑星の形成過程における貴重な情報を提供する存在として注目されています。2017年には、サイキ計画がNASAのディスカバリー計画のミッションとして正式に選定され、小惑星探査の重要性が広く認識されるようになりました。

ミッションの経緯

サイキ計画は2015年に提案され、その後選考を経て2017年にミッションが開始されることが決定しました。本来の打ち上げ予定は2023年であり、その後の計画では2022年に変更されましたが、最終的には2023年の10月に打ち上げが実施されました。これにより、探査機は2026年1月31日にプシケに到達する予定となっています。

科学的な目的

サイキミッションの核心は、惑星の中心部の構造や形成過程の解明です。具体的には以下のような目的があります：

• - サイキが原始惑星の中心核であるのか、未加工の物質を含むのかを判断する。
• - 小惑星プシケの相対的な年齢を特定する。
• - 地球の中心核と似た成分を持つ小天体が見られるかどうかを調査する。
• - 小惑星プシケの環境を分析し、酸化状態や物質の構成を見分ける。
• - プシケの地形や地質的特徴を明らかにする。

サイキ計画の機器と技術

サイキ計画では、さまざまな科学的観測機器が搭載され、探査に役立てられています。以下の4種類の観測機器が使用されます：
1. 多波長撮像装置: 金属とケイ酸塩の識別を可能にする高解像度カメラです。
2. ガンマ線・中性子分光計: プシケの素材分析を行います。
3. 磁気センサ: 小惑星の磁場を測定します。
4. Xバンド重力科学研究装置: 小惑星の内部構造を明らかにするため重力場を測定します。

推進機構と運用

サイキはホールスラスタSPT-140を使用し、電力は太陽電池パネルから供給されます。ミッション運用は、重要なスイングバイを踏まえた軌道で行われ、2029年には小惑星プシケの周回を開始する計画です。これにより、サイキは数ヶ月にわたってプシケに高度な観測を行う予定です。

この探査ミッションは、太陽系内の天体の研究に新たな視点をもたらすことが期待されており、今後の科学的探求において重要な役割を果たすでしょう。

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