サイパン級航空母艦

サイパン級航空母艦

サイパン級航空母艦は、アメリカ海軍が第二次世界大戦中に設計・建造した軽空母の艦級です。この艦級は、ボルチモア級重巡洋艦の船体を流用して建造された点が大きな特徴です。同様に巡洋艦の船体を活用した軽空母としてはインディペンデンス級がありますが、サイパン級は重巡洋艦の船体を基にしているため、インディペンデンス級よりも約4,000トンほど大型化しました。その結果、航空機の搭載数や対空砲の門数も増加し、より強力な戦力として期待されました。

設計と特徴

サイパン級は、大型空母に匹敵する装甲を備えており、大戦末期に登場した新型艦上機の運用にも対応できるよう設計されていました。これにより、大戦中に建造された軽空母の中でも、特に優れた性能を有していたと評価されています。しかし、終戦後に竣工したため、その実力を発揮する機会は限定的でした。

戦後の活動

サイパン級の2隻は、いずれも終戦後の完成となったため、空母としての活動はほとんどありませんでした。そのため、大戦中の各作戦に参加したインディペンデンス級に比べると、知名度は低いのが現状です。その後、両艦はそれぞれ航空機運搬艦（AVT）、通信中継艦（AGMR）、指揮艦（CC）へと艦種変更されました。

通信中継艦として改装された際には、両艦の甲板上に衛星通信用の巨大なアンテナが多数設置され、その外観は大きく変化しました。

同型艦

サイパン級には、以下の2隻が建造されました。

USS サイパン (CVL-48)
USS ライト (CVL-49)

参考文献

本吉 隆『第二次大戦　世界の空母完全ガイド』60頁、2019年、イカロス出版

関連項目

アメリカ海軍航空母艦一覧
アメリカ海軍艦艇一覧

外部リンク

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