サイモン・ダイアモンド

サイモン・ダイアモンドの生涯とキャリア

サイモン・ダイアモンド、本名パトリック・ケニー（Patrick Kenney）は、1968年5月26日生まれのアメリカ合衆国出身の元野球選手兼プロレスラーです。デラウェア州ウィルミントンで育った彼は、10代の頃から野球に情熱を持ち、1986年にはMLBのサンディエゴ・パドレスから指名を受けますが、大学への進学を選びます。

野球の道からの転身

野球特待生としてバージニア・コモンウェルス大学に進学し、英語学の学士号を取得します。在籍中はスポーツバーでバーテンダーとして働きながら、プロ野球選手としての道を志していました。しかし、彼は肩の重傷により夢を断念せざるを得ませんでした。

プロレスへの道

1991年、ペプシのマーケティング幹部として働いていた際、レスリング・トレーナーのジム・ケトナーに出会いプロレスラーになる決心をします。ニュージャージー州セーレムでトレーニングを開始し、イースト・コースト・レスリング・アソシエイションで“ランス・ダイアモンド”のリングネームで活動を始めます。

1998年にはエクストリーム・チャンピオンシップ・レスリング（ECW）に入団し、リングネームを“サイモン・ダイアモンド”に改名しました。2000年にはジョニー・スウィンガーとタッグを組みECW世界タッグ王座トーナメントに出場。その後もエクストリーム・チャンピオンシップ・レスリングのメインイベントに顔を出し、その存在感を確立しました。

TNAでの成功

2003年、TNAに登場し、アメリカン・モスト・ウォンテッドとの抗争を展開。彼はディスコ・インフェルノをマネージャーとして迎え入れ、NWA世界タッグチーム王座を獲得しました。この成功の後、彼は再びタッグの組み合わせを変え、幾度となくヒールターンを果たすことになります。

2005年、Slammiversaryで復帰しヒールとして活躍。複数のタッグチームを結成し、特にデビッド・ヤングとのダイアモンズ・イン・ザ・ラフは注目を浴びました。さらに、日本のプロレス団体ZERO1にも短期間参戦し、日本のファンにも知られる存在となります。

レスラーとしての引退とエージェントの道

2007年にはレスラーとしての活動を終え、TNAのロードエージェント（裏方）としてキャリアを変えます。エージェントとして成功を収めますが、2008年にはTNAから解雇されます。しかし、後に再びTNAに迎え入れられ、ECWオリジナルズの一員としてテレビにも出演しました。その後の活動で、彼は数多くの著名なレスラーと共演する機会を得ました。

プライベートの一面

プライベートでは、1998年よりドーン・マリーと関係を持ち、2000年から2001年にかけて結婚を考えながらも、最終的には破局を迎えます。その後、ケニーはキャンディスという女性と結婚し、2010年4月には女児を授かります。また、リングネームの“サイモン”は彼の師匠、ディーン・マレンコから名付けられたものです。

得意技と獲得タイトル

彼の得意技には“サイモナイザー”や“ファイヤーマンズキャリー式リバースDDT”、さらには“ジェム・カッター”などがあります。サイモン・ダイアモンドは、ECWA、IWF、MLWなどで数多くのタイトルを獲得し、その名声を高めました。特に、NWA世界タッグチーム王座やMLWグローバル・タッグチーム王座の獲得は、彼のキャリアにおいて重要な一ページとなっています。

一方で、彼はインドでのイベント中にファンの過剰な反応により暴動が起きるという経験もしています。この多彩な経歴を持つサイモン・ダイアモンドの存在は、プロレス界において非常に印象深いものとなっています。

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