サイロ (テレビドラマ)

ディストピアSFドラマシリーズ『サイロ』は、人気作家ヒュー・ハウイーによる同名小説シリーズを原作とし、グレアム・ヨストがクリエイターを務めています。主演のレベッカ・ファーガソンは、製作総指揮も兼任しています。本作はApple TV+にて、2023年5月5日に配信が始まり、2024年11月15日からはシーズン2が配信されています。

物語の舞台は、終末を迎えた外界から住民を守るために建設された、144階を超える巨大な地下建造物「サイロ」です。この閉鎖された空間には1万人以上の人々が生活しており、彼らの歴史は操作され、科学技術は厳しく制限されています。サイロの規則により、住民は外へ出ることは許されるものの、一度出た者は決して戻ることができません。外界は汚染され、生存不可能な環境であると信じられています。

物語は、サイロの保安官であるホルストン・ベッカー（デヴィッド・オイェロウォ）とその妻アリソン（ラシダ・ジョーンズ）から始まります。IT部門に勤務するアリソンは、自身が不妊処置を受けていた事実を知り、サイロに隠された謎を探求し始めます。やがて修理屋のジョージ・ウィルキンスと出会い、共に真実を追う中で、彼女はサイロを出る決断をします。住民たちが見守る中、防護服を着て外に出たアリソンは、無残にも倒れてしまいます。失意のホルストンは、亡くなったジョージの恋人であり、サイロ最下層の発電機で働くエンジニアであるジュリエット・ニコルズ（レベッカ・ファーガソン）を自身の後任に指名します。ホルストン自身もまた、真実を求めてサイロの外へ出て、アリソンと同じ運命をたどるのでした。

保安官となったジュリエットは、ジョージの死の真相を追うために上層階へと移り、捜査を開始します。彼女の前に立ちはだかるのは、様々な妨害と危険です。市長のルース・ジャーンズ（ジェラルディン・ジェームズ）や主任副保安官のサム・マーンズ（ウィル・パットン）といった重要人物が暗殺される事件も発生します。ジュリエットは、ジョージが秘密裏に遺したハードディスクや禁断の書籍を手がかりに、サイロの深部に隠された秘密へと迫っていきます。

当初、ジュリエットは司法部長のメドウズ裁判官（ターニャ・ムーディー）が率いる司法部が捜査を妨害していると疑いますが、やがて司法部警備隊長のロバート・シムズ（コモン）が指揮する秘密組織の存在を知ることになります。この組織はサイロ全域を監視し、禁止された知識を追う者たち、通称「炎の番人」を徹底的に排除してきました。秘密組織の真の黒幕は、市長代理となったIT部長のバーナード・ホーランド（ティム・ロビンス）でした。

バーナードとロバートは、ジュリエットが外部への脱出を望んだという偽りの証言を行い、彼女を逮捕しようとします。しかし、ジュリエットは脱走に成功し、ジョージのハードディスクにアクセス。そこには、荒廃した外界とは異なる、緑豊かな美しい風景が映し出されていました。真実の一部に触れた彼女でしたが、再びバーナードとロバートに捕らえられ、サイロの外へと追放されてしまいます。

絶体絶命の状況の中、ジュリエットは最下層で働く友人マーサ・ウォーカー（ハリエット・ウォルター）が密かに交換してくれた特別な耐熱テープのおかげで、外界の過酷な環境に耐えることができました。サイロの外へ踏み出した彼女が見たのは、ハードディスクに映っていた美しい景色とは真逆の、荒廃しきった終末世界でした。そして、地平線の先には、無数の他の「サイロ」が存在していることを知るのです。サイロの真実、そして世界の秘密は、彼女の目の前に広がっていくのでした。

ジュリエットの同僚ノックス（シェーン・マクレー）、最下層担当の副保安官ハンク（ビリー・ポスルスウェイト）、ジュリエットの父親ピート・ニコルズ（イアン・グレン）など、多くの個性的なキャラクターたちが物語を彩ります。特に、IT部システム・アナリストのルーカス・カイル（アビ・ナッシュ）は、ジュリエットの協力者となっていきます。

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