サウスダコタ級戦艦 (1939)

サウスダコタ級戦艦

サウスダコタ級戦艦（South Dakota class Battleship）は、アメリカ海軍が第二次世界大戦中に使用した艦級で、35,000トンの排水量を持つ超弩級戦艦です。この艦級は主砲として16インチ砲を9門搭載し、最大速力は約27ノットに達することができます。

概要

サウスダコタ級戦艦は1938年に建造計画がスタートし、当初はノースカロライナ級戦艦の増産を考慮されていましたが、アメリカ海軍は新しい設計へのニーズが高まったため、より強力な艦体設計を求めました。その結果、16インチ砲の防御力強化が図られ、全長も従来の艦級より15メートル短縮されました。これにより、最新技術を取り入れた設計でありながら、日本の新型戦艦への対抗力を持つことを目指しました。

1938年4月1日、アメリカは日本海軍の建艦動向に対抗するため、排水量45,000トン、16インチ砲搭載という条件で艦艇を建造することに合意しました。これによりサウスダコタ級の建造契約が結ばれ、最終的には4隻が建造されました。

船体と設計

この級の船体構造は軽量化を重視しており、艦橋構造はノースカロライナ級のものを引き継ぎつつも、煙突を小型化したことでコンパクトなスタイルを実現しました。船体全体が短くされることで被弾面積が低減され、集中防御方式が採用されました。しかし、この設計により高速性能が維持しきれず、艦首部の浮力が低下し艦首波が問題視されました。

兵装

サウスダコタ級戦艦の主砲は、前級と同じく16インチマーク6型砲が搭載されていますが、艦隊旗艦として設置されたサウスダコタだけは一部兵装を削減せざるを得ませんでした。また、対空兵装として、5インチ38口径連装砲や40mm機関砲、さらには20mm機銃が搭載され、各艦で搭載数に若干の差異が見られました。

防御

ノースカロライナ級との大きな違いは、初期から16インチ砲に対する防御措置が施された点です。主水線防御は外装式から内装式へと変更され、防御能力を向上させました。水平防御も同様に強化されており、装甲層の分け方や厚さが意図的に設計されていました。

機関と性能

機関は、ノースカロライナ級から改良され、出力も向上しました。排水量の関係から出力を相対的に上げる必要があり、試運転では27.8ノットに達しましたが、艦の装備増加によりこの値は徐々に低下しています。

戦歴

この艦級は太平洋戦争において大きな役割を果たした。太平洋戦線では、対日戦の初期から空母機動部隊の護衛や水上戦闘に従事し、その後1942年に全艦が就役しました。戦争中盤に全艦が整った状況の中、アメリカ海軍の重要な戦力となりました。

脚注と参考文献

サウスダコタ級戦艦については、多くの著作が存在し、大塚好古の『アメリカ戦艦発達史』やWilliam H. Garzke、Robert O. Dulinの『Battleships: United States Battleships, 1935-1992』などが参考文献として挙げられます。

登場作品

映画『沈黙の戦艦』や、ゲーム『艦隊これくしょん』及び『アズールレーン』においてもこの艦級が登場し、多くのファンに親しまれています。

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