サガット

サガット：隻眼の猛虎、ムエタイ帝王の軌跡

サガットは、カプコンの格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズに登場する、タイ出身のムエタイ使いです。スキンヘッドに眼帯、そしてリュウとの戦いで刻まれた胸の傷跡がトレードマークで、「隻眼の猛虎」として恐れられています。

キャラクター設定

初代『ストリートファイター』では最終ボスとして登場し、以降シリーズを通してリュウのライバルとして存在感を示しています。2メートルを超える巨漢で、その威圧感は圧倒的です。

隻眼となった経緯は作品によって異なり、『ストI』と『ストII』では不良との喧嘩、『ZERO』シリーズ以降ではダンの父親である火引強との戦いが原因とされています。公式には「子供の頃に不良のせいで視力をほとんど失い、その後火引強との試合で目を潰された」と説明されています。

『ストII』シリーズでは、シャドルー四天王の一人として、悪役としての側面も持ち合わせていました。しかし、リュウとの出会いを通じて人格者へと変化し、武道家としての道を歩み始めます。

『ストV』では、類似性能のキャラクターが多いという理由から初期には登場しませんでしたが、後に参戦。追加コスチュームとして、初代『ストリートファイター』時代の傷がない姿も登場しました。

人物像

少年時代に帝王ヌアカンを倒し、ムエタイの帝王として君臨したサガット。しかし、リュウに敗北し、昇龍拳によって胸に大きな傷を負わされたことで、リュウを宿敵と見なし、復讐を誓います。

その後、ベガの誘いを受けシャドルーに所属しますが、リュウとの再戦を経て復讐心の空しさに気付き、真の強さを求めるようになります。シャドルーとは疎遠になり、山奥で修行に励む日々を送ります。

『ストIV』では、村民に慕われ、ベガからの招集を拒否するなど、かつての悪役の面影はありません。リュウとの再戦を望みつつも、戦いそのものを楽しむ人格者へと成長しました。

『ストV AE』では、自身の中に「殺意の波動」と同じ力が目覚め始めていることに気付き、リュウが抱える苦悩を理解しようとします。

他キャラクターとの関係

アドン：一番弟子。かつてはサガットを尊敬していましたが、リュウとの戦い以降は憎悪の対象となります。
リュウ：宿敵であり、好敵手。戦いを通じて互いを認め合う存在となります。
ベガ：シャドルーの総帥。利害関係から協力しますが、信頼関係はありません。
ダン：火引強の息子。復讐に燃えるダンの姿に、かつての自分を重ねます。
ダルシム：『ストリートファイター X 鉄拳』でタッグパートナー。村の少女を探すために共に行動します。

各作品における位置づけ

ストリートファイター：最終ボス。
ストリートファイターII：シャドルー四天王の一人。
ストリートファイターZERO：リュウへの復讐に燃える姿が描かれます。
ストリートファイターIV：シャドルーを脱退し、修行に励む姿が描かれます。
ストリートファイターV：シャドルーから完全に離反。

ゲーム上の特徴

高い攻撃力を持つ「タイガーショット」と、対空技「タイガーアッパーカット」が強力です。リーチの長い通常技も持ち、攻守に優れたキャラクターです。

作品によって性能が異なり、『ダッシュ』では最強クラス、『ターボ』や『スパIIX』ではやや弱体化するものの、スーパーコンボの導入により再び強さを発揮します。

技の解説

タイガーショット：上段と下段に撃ち分けることができる飛び道具。
タイガーアッパーカット：対空技。昇龍拳を破るために編み出された。
タイガークラッシュ / タイガーニークラッシュ：跳び膝蹴り。
タイガージェノサイド：スーパーコンボ。タイガークラッシュからタイガーアッパーカットに繋げる。
* タイガーキャノン：巨大なタイガーショットを放つ。

その他のメディアでのサガット

映画やテレビアニメ、漫画など、様々なメディアに登場しています。作品によって設定や性格が異なり、悪役として描かれることもあれば、武道家として描かれることもあります。

サガットは、シリーズを通してその姿を変えながらも、常に強さを追い求める武道家として、多くのファンを魅了し続けています。

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