サクラロータリー

サクラロータリー

サクラロータリーは、1984年2月2日に生まれ、2013年12月に29歳で他界した日本の競走馬であり、さらに種牡馬としても知られています。彼は1986年に中央競馬でデビューし、初戦で圧倒的なパフォーマンスを見せ、以降も連勝を重ねていきました。しかし、故障により3戦3勝の成績で引退を余儀なくされ、当時は「幻の三冠馬」として名を刻みました。本稿では、彼の栄光と悲劇、ならびに後継種牡馬であるマイネルスマイルに焦点を当てます。

経歴

サクラロータリーは、北海道静内町の原武久牧場で生まれました。父はクラシック三冠馬であるトウショウボーイ、母の父は名馬シンザンという素晴らしい血統を持ち、競走デビュー前から注目されていました。主戦騎手の小島太は、サクラロータリーを評し、「トウショウボーイのような瞬発力ではなく、シンザンのように持続力のある走りをする馬だった」と述べています。

デビュー戦は1986年9月に行われ、新馬戦と特別戦で見事に勝利を収め、瞬く間に強力な競走馬の一頭へと成長しました。優れた血統とパフォーマンスから、翌年の東京優駿（日本ダービー）の優勝候補とみなされました。しかし、運命の3戦目にあたる府中3歳ステークスでは競走中に左後脚を故障。レース自体は勝利を収めたものの、故障のためにそのまま引退する事態となってしまいました。競走人生の短さは惜しまれ、彼が無事であれば三冠馬になった可能性もあったと、多くの関係者が語っています。

小島騎手は「もし無事なら三冠馬になっていたはずだ」と述べ、サクラロータリーが持っていた強さと魅力を改めて再認識しました。引退後、彼は「未完の大器」と呼ばれ、種牡馬として期待されることになりました。

種牡馬としての成績

サクラロータリーは、種牡馬生活を静内スタリオンステーションで送りました。彼の種牡馬カタログには「幻の三冠馬」や「メリーナイス、マティリアルを一蹴！！」といったキャッチコピーが記載され、初年度には57頭と交配しました。2年目には人気が高まり104頭と交配し、3年目には93頭と国産の中でトップの成績を誇りました。

しかし、彼の産駒には中央競馬での重賞勝利馬が出ることはなく、数少ないオープンクラスまで昇った馬も限られていました。それでも、マイネルスマイルという後継種牡馬が存在し、彼の血統はトウショウボーイ系の最後のサイアーラインとして受け継がれています。このように、初めてサクラロータリーの血を引く競走馬たちが、彼の名を背負って競走界に登場しました。

マイネルスマイルの登場

マイネルスマイルは、1991年にサクラロータリーの産駒として生まれました。競走馬として中央で42戦を戦い、4勝を挙げました。引退後、彼は一口出資者に引き取られ、8頭の産駒を残しました。この馬系の性質は、祖先であるサクラロータリーの強さを受け継いでいると言われています。

終焉

2001年にサクラロータリーは種牡馬から用途変更され、以降は「ノーザンディクテイターの会」の支援を受けながら穏やかな余生を送りました。そして、2013年12月に老衰で29歳で亡くなると、その特異な存在は多くの馬ファンによって惜しまれました。サクラロータリーは競馬界において永遠の名馬として語り継がれることでしょう。

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