サザエさんの青春

『サザエさんの青春』

『サザエさんの青春』は、1957年12月28日に公開された日本の映画で、東宝が製作および配給を担当しています。この作品は、シリーズ第3作目であり、初めてカラーで製作された映画となります。物語はサザエの花嫁修業を中心に展開され、磯野家の多彩なキャラクターたちが活躍します。

概要

「サザエさん」は、長谷川町子が描く日本のコミックシリーズを原作としていますが、いこの映画ではそれを基にしたストーリーが展開されます。シリーズ初のカラー映像ということで、当時の技術を駆使し、視覚的にも楽しめる作品に仕上がっています。登場人物としては、磯野家の親族や朋友たちが引き続き活躍し、カツオ役のみが世代交代しています。これにより、新たなキャストが加わり、違った味わいを見せます。

ストーリー

物語は、サザエとマスオの婚約が絡む重たいテーマからスタートします。婚約の使者として山中老人が訪れ、サザエは花嫁としての修業を開始しますが、その過程がまた一波乱を呼びます。彼女は器用さに欠けており、料理や家事で次々と失敗を繰り返してしまいます。サザエはデパートでアルバイトをするものの、結果は芳しくなく、失敗を重ねるばかりです。

そんな折に、ある奥様に親切にしたことがきっかけで、意外な展開を迎えます。その奥様は波平が勤める会社の専務夫人であり、なんとサザエを自分の息子の嫁にしたいと言い出します。これを聞いたサザエは戸惑いのあまり翻弄されます。波平の名声を汚さないようにと、サザエはその専務夫人の招待パーティに参加。ところが、普段は九州に出張中のはずのマスオが、その場に突然現れます。マスオは、サザエが専務夫人の息子と交際しているのだと誤解してしまい、激怒して立ち去るというお騒がせな一幕が繰り広げられます。

しかし、波平の努力で誤解は解け、やがて平和が戻ります。その後、町内で行われる運動会でサザエは見事に一等賞を獲得しますが、その賞品は何と夫婦茶碗だったというオチが待っています。

スタッフ

この映画は青柳信雄が監督を務めており、脚本は笠原良三が手掛けています。音楽は松井八郎と内藤法美が担当し、視覚だけでなく音楽的にも楽しめる仕上がりとなっています。撮影は遠藤精一が行い、美術監督に北猛夫という布陣です。

キャスト

主演は江利チエミがサザエを演じ、波平は藤原釜足が務めます。他にも多くのキャラクターが登場し、賑やかな映画となっています。特に仲代達矢演じるノリスケの再登場がファンにとって嬉しいポイントです。

映画『サザエさんの青春』は、家庭の中でのコメディや、日常の中の出来事がもたらす学びや成長を描いた作品として、多くの人に親しまれています。長年にわたって愛され続けるサザエさんのシリーズの中でも特に印象深い作品の一つと言えるでしょう。

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