サザンプラティフィッシュ

サザンプラティフィッシュ（Xiphophorus maculatus）

サザンプラティフィッシュは、カダヤシ目カダヤシ科に属する淡水魚です。この魚はメキシコが原産で、一般的には「プラティ」または「ムーンフィッシュ」として知られています。また、古くはツキメダカとも呼ばれていました。

分布

サザンプラティフィッシュは主にオアハカ州、カンペチェ州、キンタナ・ロー州、タバスコ州、チアパス州、ベラクルス州など、メキシコ国内の特定の地域に分布しています。また、この魚は外来種として他の地域にも広がっています。例えば、日本の沖縄島では1960年代から観賞魚として導入され、その後野生化も見られています。特に沖永良部島の余多川・奥川では定着が確認されていますが、全体の定着状況については不明です。

飼育と繁殖

サザンプラティフィッシュは卵胎生の魚で、稚魚を産む方式を取ります。グッピーと同様に、飼育や繁殖が容易であるため、初心者から経験者まで幅広く人気があります。この魚は性格が穏やかで、活発に泳ぎ回る特性を持っています。通常、全長は平均5cmですが、8cm以上に成長することもあります。サザンプラティは20日から25日おきに産仔し、平均して20匹の稚魚を産むことが多いですが、大型個体の場合、100匹以上を産むこともあります。興味深いのは、一度交尾したオスの精子を貯蔵できるため、オスがいなくても再度産卵することがある点です。

妊娠中のメスは、30センチの水槽に移して、赤虫などを豊富に与えることが推奨されています。これは、産仔後の腹部のしぼみを解消し、次回の産仔数を確保するためです。この産仔後のしぼみを放置すると、次回の産仔数が減ってしまう可能性があります。

品種と変異

サザンプラティフィッシュは、品種改良の結果、さまざまな色や形状の品種が登場しています。主な品種には次のようなものがあります。

• - レッド・プラティ: 鮮やかな赤が特徴。
• - ブルー・プラティ: 明るい青の体色。
• - サンセット・プラティ: 尾びれの赤から徐々にベージュに変わる色合いが美しい。
• - ツインバー・プラティ: 尾びれに黒い縁取りが入る。
• - タイガー・プラティ: 胴体に縞模様のある新しい品種。
• - ヘルメット・プラティ（タキシードプラティ）: 体が黒く塗りつぶされる特徴がある。
• - ミッキーマウス・プラティ: 尾びれに3つの黒い丸模様が印象的。
• - バルーン・プラティ: 通常よりも体高が高い丸みを帯びた体型。
• - ハイフィン・プラティ: 背びれが長く伸びる。
• - ライヤーテール・プラティ: ヒレが長く美しい形状を持つ。

なお、複数の品種の特徴が組み合わさった複合品種も存在しており、多様な色合いや形状が楽しめます。

サザンプラティフィッシュは、見た目の美しさや飼いやすさから、多くの熱帯魚愛好家に支持されています。

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