サスティナ (企業)

株式会社サスティナの概要

株式会社サスティナは、かつて福井県福井市に本社を置き、東証一部に上場していた江守グループホールディングス株式会社（旧：江守商事）が、経営破綻後に商号を変更した企業です。現在の本社所在地は東京都中央区にあります。

沿革

1906年3月：江守薬店として創業。
1958年5月：株式会社江守商店設立。
1970年11月：江守商事株式会社に商号変更。
1994年2月：株式を店頭公開（現在の東京証券取引所スタンダード市場）。
2005年4月：東京証券取引所2部（現・スタンダード市場）に上場。
2006年3月：東京証券取引所1部（現・プライム市場）に指定替え。
2014年4月1日：持株会社体制へ移行し、江守グループホールディングス株式会社に商号変更。事業部門は江守商事株式会社（現・興和江守株式会社）に承継。
2015年5月1日：東京地方裁判所から民事再生手続開始決定を受ける。
2015年5月31日：東京証券取引所1部上場廃止。
2018年6月：本社を福井市毛矢1丁目から福井市大手2丁目へ移転。
2018年12月19日：株式会社サスティナに商号変更。同時に本社を福井市から東京都江東区へ移転。
2019年7月：本社を江東区から東京都中央区へ移転。

民事再生法申請に至る経緯

江守グループホールディングスは、化学品、合成樹脂、電磁材料などを扱う卸売商社として事業を拡大しました。2005年頃から中国市場に進出し、2014年には売上の7割を中国が占めるまでに成長しました。

しかし、業績拡大の裏で、資金が社内から流出し続け、営業キャッシュフローは5期連続でマイナスを記録していました。2014年10月には、2015年3月期の連結経常利益を大幅に下方修正し、株価は急落しました。

2015年2月、監査法人から中国の連結子会社における経理不正の疑いが指摘され、第三者委員会による調査の結果、現地法人の中国人責任者が、親族が経営する企業との間で大規模な架空取引を行っていたことが発覚しました。この取引では、仕入れ代金は支払われていましたが、販売代金は回収されず、数百億円規模の資金が流出していました。この不正により、会社は巨額の貸倒引当金を計上し、債務超過に転落しました。

再建を模索するも自主再建を断念し、2015年4月30日に民事再生法の適用を申請し、事実上の倒産となりました。負債総額は約711億円に上り、同年度3番目の大型倒産となりました。

その後の事業再編

その後、興和紡グループとジェイ・ウィル・パートナーズが出資を表明し、江守商事を含む主要な事業子会社の株式は新会社「合同会社江守コーポレーション」に譲渡されました。これにより、卸売事業の再建と従業員の雇用維持が図られました。

事業子会社を失った江守グループホールディングス本体は、民事再生手続きに入り、残余資産の売却と債権の整理回収を進め、その後、全株式の無償取得と消却を行いました。

メディア事業への展開

かつて、同社はコンテンツ事業にも進出し、アニメ製作会社に出資して映画製作を企画しましたが、採算が取れず、他社に譲渡し清算しています。

まとめ

株式会社サスティナ（旧：江守グループホールディングス）は、急成長の裏で不正会計が発覚し、倒産に至った企業です。その歴史は、企業経営におけるリスク管理の重要性を示す事例と言えるでしょう。現在は、事業再編を経て新たなスタートを切っています。

関連項目

* チャイナリスク

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