サッポロ 開拓使麦酒仕立て

サッポロ 開拓使麦酒仕立ての概要

2021年、サッポロビールとファミリーマートが共同で開発した缶ビール「開拓使麦酒仕立て」。当初は数量限定での発売が計画されていましたが、パッケージデザインに誤記があったため、発売中止が決定しました。しかし、その後多くの消費者からの要望により、販売が再開され、食品ロスの回避につながった事例となっています。

パッケージデザイン

「開拓使麦酒仕立て」は、350ml缶と500ml缶の二つのサイズで販売されました。デザインは赤レンガを基にしたえんじ色で、クリーム色のラベルと共に、商品の特徴を引き立てています。ラベルの中央には「開拓使麦酒仕立て」のロゴがあり、上部には金色の★印、下部には民営化後の札幌ビールの製麦所を描いたイラストが記されています。さらに「LAGAR」と「BEER」と書かれた小さなリボンも添えられているものの、正確なスペルは「LAGER」であることが誤記として注目されました。

発売中止とその背景

発売予定日が近づく中、サッポロは1月8日に発売中止を発表しました。この決定は、パッケージが消費者に提供すべき品質の一部であるとの認識から来ていました。しかし中身の品質には問題がなかったため、サッポロは廃棄を避ける方法を模索していました。報道によると、食品ロスを問題視しているジャーナリストや消費者から再販売の声があがり、特に竹谷とし子参議院議員が関連法規についての確認を行い、法律に抵触しないとの認識をサッポロに伝えたことで、状況は動き始めました。

最終的に、サッポロとファミマは1月13日に発売中止の決定を撤回し、2月2日からの発売を発表しました。消費者庁もこの動きに注目し、サッポロ社長が官庁に訪問して経緯を説明したことは、食品ロス削減に向けた取り組みの一環として評価されています。

消費者の意見

市場調査会社・日本トレンドリサーチが実施したアンケート調査によると、食品や飲料のパッケージに誤記があった場合に廃棄することに対して86%の人が「もったいない」と感じています。また、誤記があった商品について36.1%が「購入する」、54.8%が「条件次第で購入する」と回答し、「購入しない」とした人はわずか9.1%でした。これは、消費者の食品ロスに対する意識の高まりを示しています。

製法と味わい

「開拓使麦酒仕立て」は、麦芽とホップのみを原料厳選した麦芽100%の生ビールです。3回煮沸製法を採用し、濃厚な麦汁を使用することで、しっかりとした飲みごたえと深い味わいを実現しています。アルコール度数は6%で、これはヱビスビールや黒ラベルの5%よりも若干高めで、同じ度数の製品としてサッポロ冬物語が挙げられます。

このように「開拓使麦酒仕立て」は、誤記による販売中止の騒動を経て、再び消費者の手に渡ることになり、品質と味においても高く評価されています。

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