サテンウッド

サテンウッドについて

サテンウッドは、特定の植物を指すのではなく、複数の植物の総称として用いられる名前です。この名前を持つ植物の多くは木材として利用され、特に家具材としてその美しさと耐久性が評価されてきました。18世紀後半から19世紀初頭にかけては、サテンウッドが家具の素材として流行した時代であり、当時の家具研究家であるパーシー・マッコイドは、この時期を「サテンウッドの時代」と称しました。

サテンウッドと呼ばれる主な植物

サテンウッドと呼ばれる植物は、分類学的に異なる複数の種類が存在します。以下に主なものを紹介します。

インドシュスボク (学名: Chloroxylon swietenia)
ミカン科の植物で、木材として利用されます。商業名としては「セイロンサテンウッド」や「イーストインディアンサテンウッド」として知られています。マッコイドが言及したサテンウッドも、このインドシュスボクを指します。

ゲッキツ (学名: Murraya paniculata)
ミカン科ゲッキツ属の植物です。

Nematolepis squamea subsp. squamea
ミカン科の植物です。

Pericopsis laxiflora (シノニム: Afrormosia laxiflora)
マメ科の植物です。

Terminalia ivorensis
シクンシ科モモタマナ属の植物で、木材として利用されます。商業名は「イディグボ」です。

Zanthoxylum coriaceum
ミカン科サンショウ属の植物です。

Zanthoxylum flavum (シノニム: Fagara flava)
ミカン科サンショウ属の植物で、木材として利用されます。商業名としては「ウェストインディアンサテンウッド」や「ジャマイカサテンウッド」として知られています。

その他のサテンウッドの呼称

サテンウッドという名称は、地域や品種によってさらに細分化された呼称が存在します。

Brazilian satinwood: パウアマレロ (学名: Euxylophora paraensis)。ミカン科の植物で、木材として利用されます。
East african satinwood: オロンボゴ (学名: Zanthoxylum gilletii; シノニム: Fagara macrophylla)。ミカン科サンショウ属の植物です。
African/Nigerian/yellow satinwood: モバンギ (学名: Distemonanthus benthamianus)。マメ科モバンギ属の植物で、木材として利用されます。ナイジェリアンサテンウッドやイエローサテンウッドという通称もあります。
satinwood in Australia: オーストラリアサティンウッド (学名: Zanthoxylum brachyacanthum)。ミカン科サンショウ属の植物です。
scented satinwood: Ceratopetalum apetalum。クノニア科の植物で、木材として利用されます。別名コーチウッドとも呼ばれます。

まとめ

サテンウッドは、多様な植物を指す名称であり、木材としての利用価値が高いことで知られています。特に、その美しい木目と光沢は、高級家具材として古くから重宝されてきました。サテンウッドと名のつく植物は、ミカン科に属するものが多く見られますが、マメ科、シクンシ科、クノニア科など、他の科に属する植物も存在します。これらの植物は、それぞれ異なる地域で生育し、異なる商業名で取引されることもあります。サテンウッドの利用にあたっては、これらの点を考慮する必要があります。

関連項目

ウォールナット
オーク
マホガニー

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