サビキン目

サビキン目について

サビキン目（さびきんもく）とは、担子菌門に属する目の一つで、主に植物に寄生する絶対寄生菌のグループを指します。この目には、全世界で14科166属、約7700種が記載されており、そのうち日本では約800種が確認されています。これらの菌は、植物に寄生することでさまざまな病害を引き起こし、農業や林業において重大なリスクをもたらしています。

サビキンの特徴

サビキン目の菌は、外見が錆やサビのような色合いを持つさび胞子を形成することから名付けられました。この胞子は、赤色や黒色を呈し、植物の葉や茎に寄生し、しばしば目立つ病斑を生じます。このように、さび病として知られる病害は、多くの農作物や樹木に影響を与え、その経済的な損失は計り知れません。

日本では、リンゴやナシに寄生するさびキンの中には、特徴的な病斑を作るものがあり、特に「赤星病」と呼ばれています。また、樹木においては、いくつかの品種が天狗巣病を引き起こすことが知られています。これらの病気は、その見た目や症状で名前が付けられていますが、必ずしも「さび菌」に起因しているわけではないこともあります。例えば、卵菌によって引き起こされる「白さび病」は、他の菌によるものです。

多様な生活環と胞子

サビキン目の菌は、非常に複雑な生活環を持つことでも知られています。彼らは、さび胞子や担子胞子の他に、「精子」、「夏胞子」、「冬胞子」といった特定の胞子も生産します。この特性は、異なる世代が異なる植物に感染し、それによって増殖する異種寄生性の菌が多いことを示しています。これにより、感染が広がるメカニズムは非常に多様で、農業管理や防除施策が難しくなる要因となっています。

影響と防除

サビ病を含む各種の病害は、農業や林業の生産性に大きな影響を及ぼします。特に、サビキン目の存在は、収穫量の低下や品質の劣化を引き起こす可能性があるため、これに対する防除が重要です。農薬を含む農業管理の手法や、抵抗性品種の開発が行われていますが、新たなサビキンの出現や環境条件の変化により、常に対策が求められます。

関連項目

このサビキン目に関連して、プログラム言語「Rust」は、まさにこの菌の名に由来しています。さらに、五葉マツ類の発疹さび病や、特定のサビ病であるStem rustやUg99なども重要な研究対象となっています。

参考文献と外部リンク

サビキン目に関する詳しい情報は、『Ainsworth & Bisby's dictionary of the fungi』や山岡裕一による植物防疫に関する論文などで確認できます。また、国立科学博物館や筑波大学の資料も参照すると良いでしょう。

以上のように、サビキン目は複雑な生態系の一部として、農業における重大な課題を提供しています。適切な管理と研究が求められる分野です。

もう一度検索