サビトマトガエル

サビトマトガエル（Dyscophus guineti）

サビトマトガエルは、ヒメアマガエル科トマトガエル属に属するカエルで、主にマダガスカルの東部に生息する固有種です。このカエルの特徴は、その美しい体色とユニークな模様です。

分布

サビトマトガエルは、マダガスカルの東部に特有のカエルで、現地の森林に生息しています。彼らは特に湿気の多い地域で見られ、周囲の環境と調和しています。

形態

このカエルの体長はおおよそ6センチから9.5センチで、多彩な色合いを持っています。体色は赤、オレンジ、黄色などあり、特に背面にはサビ色の斑点が見られます。これにより、自然界では効果的に擬態ができると言われています。また、眼の後ろから横にかけて黒い筋模様があり、体側面にはさまざまな斑紋が広がっています。幼生は特徴的に口器が前方にあり、長い吻を持っています。一方、幼体は褐色で、成熟していくにつれて色彩が変わります。

生態

サビトマトガエルは地表棲で、主に森林の地面に生息します。外敵に出会うと、四肢を盛んに突っ張らせ、体を膨らませることで威嚇します。また、皮膚から白い粘着質の物質を分泌し、自らを守る仕組みも持っています。このカエルは動物食性で、主に昆虫類や節足動物を捕食します。繁殖は卵生で、雨季には水場に卵を産む習性があります。

人間との関係

サビトマトガエルはペットとして人気で、日本にも輸入されています。以前、アカトマトガエルが流通していましたが、ワシントン条約に登録されたため、代替種としてサビトマトガエルが多く流通しています。これまで主に野生個体が取引されていましたが、最近では飼育下で繁殖された個体も増加しています。

ペットとして飼育する際には、広めのケージが必要です。狭いケージではストレスがたまり、拒食することがあります。また、通気性を確保するために金網の蓋を使用することが推奨されます。床材には、保湿力のあるヤシガラ土や腐葉土を使用し、物陰に隠れることを好むため隠れ家を設置することが重要です。ケージ内には、全身が浸かることができる大きめの水入れも必要です。

サビトマトガエルは流通数が非常に多く、養殖個体の流通も増えていますが、幼生の飼育は難しいため、注意が必要です。生態や飼育方法についてしっかり学ぶことで、この美しいカエルを長く楽しむことができるでしょう。

関連項目

• - トマトガエル属

参考文献

• - 千石正一監修、長坂拓也編『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年。
• - 海老沼剛『爬虫・両生類ビジュアルガイド カエル1』、誠文堂新光社、2004年。

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