サブナック

サブナック（Sabnac, Sabnach, Sabnack）は、悪魔学に登場する悪魔の一柱であり、様々な異名を持ちます。サブナッケ（Sabnacke）、サブノック（Sabnock）、サヴノック（Savnok）、サブラック（Saburac）、サルマク（Salmac）などの名で呼ばれることもあります。

ゴエティアにおけるサブナック

『ゴエティア』によれば、サブナックは地獄の50の軍団を率いる序列43番の偉大にして強大な侯爵です。青ざめた馬にまたがり、ライオンの頭を持つ武装した兵士の姿で現れると描写されています。この異形の姿は、彼の持つ力の象徴と解釈されています。

サブナックの能力

サブナックは、建築と破壊の力を持つとされています。高層建築や城郭、市街を建造し、それらを武具で満たすことができると伝えられています。この能力は、彼の軍事的な側面を強調しています。また、サブナックは、何日も治らず、腐り蛆がわくような酷い傷をもたらす力も持っています。これは、彼が破壊的な側面も持ち合わせていることを示唆しています。

召喚者の求めに応じて、サブナックは優れた使い魔を与えるとされています。使い魔は、召喚者の意のままに動く精霊であり、サブナックはこれを使役する力を持っています。また、人を変身させる力を持つとも言われており、その力は多岐にわたります。

サブナックに関する文献

サブナックに関する記述は、様々な文献に見られます。

『地獄の辞典』: コラン・ド・プランシーによって著されたこの辞典は、悪魔学に関する重要な資料であり、サブナックについても解説されています。
"The Book of Ceremonial Magic": アーサー・エドワード・ウェイトによるこの書籍は、儀式魔術に関するもので、サブナックの召喚方法や能力について触れられています。
"The Lesser Key of Solomon": S.L. MacGregor Mathers とアレイスター・クロウリーによって編纂されたこの書は、『ゴエティア』としても知られ、サブナックを含む72柱の悪魔について記述されています。
"Pseudomonarchia Daemonum": ヨハン・ヴァイヤーによって著されたこの文献は、悪魔の位階について記されており、サブナックについても言及されています。

これらの文献は、サブナックに関する理解を深める上で貴重な情報源となります。

サブナックは、建築と破壊、治癒と傷病、変身といった相反する力を持つ、複雑な性格の悪魔として描かれています。彼の持つ多面的な能力は、悪魔学における彼の地位を確立する上で重要な要素となっています。

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