サブマリン爆撃隊

映画『サブマリン爆撃隊』解説

『サブマリン爆撃隊』（1938年）は、ジョン・フォード監督によるアメリカの戦争映画です。第一次世界大戦下を舞台に、駆潜艇SC599号の乗組員たちの奮闘と、そこで育まれるロマンスを描いています。リチャード・グリーン、ナンシー・ケリー、プレストン・フォスターらが出演し、ウィリアム・フォークナーが脚本に協力しています。

あらすじ

大富豪の息子であるペリー・タウンゼントは、プレイボーイとして知られていましたが、機械に強いという特技を活かして海軍に入隊します。配属されたのは、老朽化した駆潜艇SC599号。乗組員も素人ばかりで、ペリーは不満を抱えながらも機関長として勤務することになります。

そんな中、ペリーは補給船マライア・アン号で働く女性、スーザンと出会い、恋に落ちます。しかし、スーザンの父親でマライア・アン号の船長であるリーズは、ペリーが大富豪の息子であることを知り、二人の交際に強く反対します。娘が遊びで捨てられるだけだと考えているからです。

そこに、SC599号の新艦長としてドレイク中尉が着任します。彼はベテラン兵士たちと共に、SC599号の乗組員たちを徹底的に鍛え上げます。訓練を経て、SC599号は他の駆潜艇と共に、補給船団の護衛任務に就き、イタリアへと向かいます。

イタリアで、ペリーは父親のコネを使ってスーザンとの結婚許可証を入手し、プロポーズを決行します。スーザンも喜びますが、父親のリーズは再び彼女を連れ戻そうとします。しかし、ペリーの真剣な想いを知ったリーズは、考えを改め、ペリーに謝罪しようとSC599号を訪れます。ところが、誤解からペリーに殴られ、そのままSC599号が出撃してしまい、リーズもなし崩し的に乗組員として働くことになります。

激戦の末、SC599号は見事勝利を収めます。そして、リーズはついにペリーとスーザンの結婚を認めます。マライア・アン号で結婚式を挙げる準備が進められますが、SC599号に緊急出航命令が下ります。ペリーは甲板からスーザンに永遠の愛を誓い、SC599号は出航していくのでした。

主要キャスト

ペリー・タウンゼント: リチャード・グリーン
スーザン・リーズ: ナンシー・ケリー
ジョン・C・ドレイク: プレストン・フォスター
リーズ船長: ジョージ・バンクロフト

作品の魅力

『サブマリン爆撃隊』は、戦争映画でありながら、ロマンスとユーモアが織り交ぜられた作品です。最初は頼りなかったSC599号の乗組員たちが、ドレイク艦長の指導の下で成長していく姿は、観る者に勇気を与えます。また、ペリーとスーザンの身分違いの恋の行方も、物語の大きな見どころです。ジョン・フォード監督らしい、人間味あふれる描写と、迫力ある戦闘シーンが、作品に深みを与えています。

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