サブ・カルチャー

1985年、ニュー・オーダーはアルバム『ロウ・ライフ』からのセカンドシングルとして「サブ・カルチャー」を発表しました。この曲は、アルバムバージョンとは異なるアレンジが施されたシングルバージョンでリリースされ、大きな成功を収めました。

シングルバージョンは、アルバムバージョンに女性コーラスが加えられ、より洗練されたポップなサウンドに仕上がっています。このアレンジは、共同プロデューサーとして参加したジョン・ロビーの貢献によるところが大きいと言えるでしょう。楽曲制作において、彼の存在感は無視できません。

ファクトリー・レコードからリリースされたこのシングル盤（カタログ番号：FAC 133）は、全英チャートにおいて63位を記録しました。チャートにおける順位は、必ずしも商業的成功の全てを反映するものではありませんが、それでも一定のリスナーを獲得したことを示しています。

興味深いのは、この曲にはプロモーションビデオが存在しないことです。1980年代半ばという時代背景、そしてバンドのスタンスを考えると、この選択は必ずしも珍しいものではありません。当時の音楽シーンにおいて、プロモーションビデオ制作が必ずしも必須ではなかったことは理解しておくべきです。

12インチシングルには、A面に「サブ・カルチャー」、B面に「ダブ・ヴァルチャー」が収録されています。「ダブ・ヴァルチャー」は「サブ・カルチャー」のリミックス、いわゆるダブ・バージョンであり、より実験的なサウンドが特徴です。「サブ・カルチャー」の演奏時間は7分26秒、「ダブ・ヴァルチャー」は7分57秒と、どちらも長尺の楽曲となっています。

日本においては、当時ファクトリー・レコードの日本代理店であった日本コロムビアより12インチシングルがリリースされました。収録内容は、海外盤と同一です。これは、当時の日本の音楽ファンの間でも、ニュー・オーダーの楽曲が一定の支持を得ていたことを示唆しています。

「サブ・カルチャー」は、ニュー・オーダーの代表曲の一つとして、現在でも高い評価を得ています。洗練されたメロディーと、実験的なダブ・バージョンとの対比は、彼らの音楽性の多様性を示しています。このシングル盤は、単なる商業的な商品ではなく、1980年代の音楽シーンにおける重要な作品の一つと言えるでしょう。ニュー・オーダーの音楽史を考える上で、「サブ・カルチャー」は無視できない存在です。楽曲そのものの魅力に加え、リリース形態やチャートにおける成績、そしてプロモーションビデオの有無といった要素も踏まえると、このシングルは様々な角度から分析できる興味深い作品となっています。

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