ロウ・ライフ

ニュー・オーダーの1985年発表作品『ロウ・ライフ』(Low-Life)は、バンドにとって3枚目のオリジナルアルバムであり、ファクトリー・レコードからリリースされました。全英アルバムチャートでは7位という好成績を収め、バンドの代表作の一つとして高い評価を得ています。

特徴的なのは、なんといってもアルバムジャケットでしょう。ファクトリー・レコードの共同経営者でもあるピーター・サヴィルによるデザインで、ジャケットにはメンバーのスティーヴン・モリスが大きく写し出されています。ジャケットの内側と裏側には、他の3人のメンバーの姿も確認できます。ニュー・オーダーのアルバムジャケットで、メンバー全員が写真として登場するのはこの『ロウ・ライフ』が唯一の作品です。

これまでのアルバム『ムーブメント』、『権力の美学』ではシングルカットがありませんでしたが、『ロウ・ライフ』では初めてシングルがリリースされました。「パーフェクト・キス」と「サブ・カルチャー」の2曲がシングルとして世に送り出され、この後のニュー・オーダーのアルバムでも、複数曲がシングルとして発売されるようになりました。このアルバムからのシングルカットは、バンドの商業的な成功に大きく貢献したと言えるでしょう。

アルバムのオープニングを飾る「ラヴ・ヴィジランティス」(邦題：愛の自警団)は、シングルとしてはリリースされませんでしたが、その魅力は多くのアーティストに認められました。フォークやカントリー系の歌手らによってカバーされ、楽曲の普遍的な魅力が改めて証明されています。時代を超えて愛される楽曲として、現在も高い人気を誇ります。

『ロウ・ライフ』は、ニュー・オーダーのメンバー全員が作詞・作曲・編曲に携わっています。プロデューサーももちろんニュー・オーダー自身。エンジニアはマイケル・ジョンソン、写真撮影はトレヴァー・キーが担当しました。このように、制作過程においてもメンバーのこだわりが随所に見られる作品となっています。

収録曲は以下の通りです。

1. ラヴ・ヴィジランティス (Love Vigilantes) - 4:16
2. パーフェクト・キス (The Perfect Kiss) - 4:51
3. ディス・タイム・オブ・ナイト (This Time of Night) - 4:45
4. サンライズ (Sunrise) - 6:01
5. エレジア (Elegia) - 4:56
6. スーナー・ザン・ユー・シンク (Sooner Than You Think) - 5:12
7. サブ・カルチャー (Sub-culture) - 4:58
8. フェイス・アップ (Face Up) - 5:02

『ロウ・ライフ』は、ニュー・オーダーの音楽性を象徴する作品であり、ポストパンク、ニューウェイヴ、エレクトロニックミュージックといった要素を融合させたサウンドは、多くのリスナーを魅了し続けています。シングルカットされた楽曲だけでなく、アルバム全体を通して聴き応えのある、彼らの代表作と言えるでしょう。

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