サボー・イシュトヴァーン

サボー・イシュトヴァーン

サボー・イシュトヴァーン（Szabó István、1938年2月18日生まれ）は、ハンガリーのブダペストで生まれた名監督です。日本では、英語に基づいた表記のイシュトヴァン・サボーという名前でも知られています。彼の作品は国内外で高く評価されており、数々の映画祭で受賞歴があります。

略歴

サボーは1959年に短編映画『A Hetedik Napon（七日目）』で監督としてデビューしました。その後、1963年には短編作品『Te（あなた）』が第16回カンヌ国際映画祭で特別短編賞を受賞。また、1964年には自らの初の長編映画『Álmodozások Kora（幻想の時代）』を製作し、俳優としても参加した1966年の『Apa（父）』では、第5回モスクワ国際映画祭にて最優秀作品賞に輝きました。

1977年には『Budapesti Mesék（ブダペストの物語）』でカンヌ国際映画祭のコンペティション部門へ初出品し、1980年には『コンフィデンス/信頼』で第30回ベルリン国際映画祭の監督賞を受賞しました。この作品は、第53回アカデミー賞で外国語映画賞にノミネートされています。1981年には『メフィスト』が第34回カンヌ国際映画祭で脚本賞と国際映画批評家連盟賞を受賞し、さらに第54回アカデミー賞でも外国語映画賞に選出される快挙を達成しました。

1985年には『連隊長レドル』が第38回カンヌ国際映画祭で審査員賞を獲得し、同じく第58回アカデミー賞や第43回ゴールデングローブ賞、第39回英国アカデミー賞でも外国語映画賞にノミネートされ、そのうち英国アカデミー賞を受賞。1988年に公開された『ハヌッセン』も多くの国際映画賞にノミネートされ、この流れを受けて、彼の映画作品は常に高い評価を得てきました。

1992年には『Édes Emma, Drága Böbe - Vazlatok, Aktok（可愛いエンマ、愛しのベベ、スケッチ、ヌード）』が第42回ベルリン国際映画祭で審査員特別賞を取得し、さらに第5回ヨーロッパ映画賞で脚本賞を授与されました。1999年にはオーストリア、ドイツ、カナダ、ハンガリーの合作となる『太陽の雫』を制作。これは第58回ゴールデングローブ賞で三冠にノミネートされ、作品賞を含む4部門で受賞するという素晴らしい業績を残しました。

しかし、2006年には、共産主義政権下での監督仲間へのスパイ行為が報道され、波紋を呼びました。これが彼の評価にどう影響を及ぼしているかは、現在も議論されています。

主な監督作品

• - コンフィデンス/信頼 (Bizalom, 1980)
• - メフィスト (Mephisto, 1981)
• - 連隊長レドル (Colonel Redl, 1985)
• - ハヌッセン (Hanussen, 1988)
• - ミーティング・ヴィーナス (Meeting Venus, 1991)
• - 太陽の雫 (Sunshine, 1999)
• - テイキング・サイド (Taking Sides, 2001)
• - 10ミニッツ・オールダー イデアの森 (Ten Minutes Older: The Cello, 2002)
• - 華麗なる恋の舞台で (Being Julia, 2004)
• - エメランスの扉 (The Door, 2012)

サボー・イシュトヴァーンの作品は、深い人間性と社会的テーマを考察し、多くの観 audience に様々な感情を呼び起こす力を持っています。彼の映画を通して、観客は歴史や文化に根差した物語に触れ、根源的な問いを突きつけられます。

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