テイキング・サイド

『テイキング・サイド』（原題：Taking Sides）は、ロナルド・ハーウッドが1995年に発表した戯曲であり、その後、映画化もされた作品です。この物語は、第二次世界大戦終結後、著名な指揮者ヴィルヘルム・フルトヴェングラーに対して行われた「非ナチ化」裁判の裏側を描いています。作品は、裁判という形式を通して、芸術、政治、そして人間の道徳観が複雑に絡み合う様子を浮き彫りにします。

舞台版について

日本では、2013年2月1日から2月11日にかけて、天王洲銀河劇場で舞台版が公演されました。この公演では、実力派俳優たちが集結し、観客を物語の世界へと引き込みました。

出演者
米軍少佐アーノルド：筧利夫
エンミ・シュトラウベ：福田沙紀
ザックス夫人：小島聖
ローデ：小林隆
デイヴィッド中尉：鈴木亮平
フルトヴェングラー：平幹二朗

スタッフ
演出：行定勲
訳：渾大防一枝
美術：二村周作
衣裳：前田文子
照明：佐藤啓
音響：長野朋美
演出助手：河合範子
舞台監督：藤本典江

この舞台版は、緻密な演出と俳優たちの熱演により、観客に深い感動を与えました。

映画版について

映画版は、2001年にハンガリーの映画監督サボー・イシュトヴァーンによって、イギリス、フランス、ドイツ、オーストリア、ハンガリーの共同制作という形で映画化されました。翌2002年のベルリン国際映画祭では銀熊賞を受賞し、その質の高さが国際的に評価されました。脚本は、戯曲の作者であるロナルド・ハーウッド自身が担当しています。

映画版では、著名な俳優たちが起用され、重厚なドラマが展開されましたが、日本では劇場公開は実現しませんでした。

キャスト
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー：ステッラン・スカーシュゴード
スティーヴ・アーノルド少将：ハーヴェイ・カイテル

作品のテーマ

『テイキング・サイド』は、単なる裁判劇ではなく、より深いテーマを探求しています。芸術家が政治的な権力とどのように関わるのか、また、歴史的な出来事が個人の人生や倫理観にどのような影響を与えるのか、といった普遍的な問題を提起しています。フルトヴェングラーという実在の人物を題材にすることで、作品はより一層のリアリティと説得力を持ち、観る者、読む者に深い問いを投げかけます。

外部リンク

Taking Sides - オールムービー（英語）
Taking Sides - IMDb（英語）

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