サミュエル・ピーター

サミュエル・ピーター（Samuel Peter、1980年9月6日 - ）は、ナイジェリア出身のプロボクサー。元WBC世界ヘビー級王者であり、「ナイジェリアの悪夢（The Nigerian Nightmare）」という異名を持つ。その強打はヘビー級の中でも際立っており、一発で相手をKOする試合を数多く展開した。また、2000年にはシドニーオリンピックにナイジェリア代表として出場している。

プレースタイル

レノックス・ルイスやウラジミール・クリチコといった技巧派ヘビー級が台頭する中で、ピーターはひたすら強打を武器に突き進むスタイルを貫いた。そのスタイルは、ボクシング解説者の浜田剛史に「30年前の選手がそのまま出てきたようなもの」と評されるほど。

来歴

アマチュア時代

11歳からボクシングを始め、恵まれた体格を活かしてナイジェリア国内のアマチュアヘビー級チャンピオンに輝く。そして、2000年のシドニーオリンピックにナイジェリア代表として出場。準々決勝で敗退したものの、プロへの道を切り開いた。アマチュア時代の戦績は18勝2敗。

プロ時代

2001年2月6日、カザフスタンでプロデビュー。その後、アメリカを主戦場に連勝を重ね、2003年3月7日にWBC世界ヘビー級ユース王座を獲得。

2004年12月4日には、空位のNABF北米ヘビー級王座を獲得。さらに、2005年1月22日にUSBA全米ヘビー級王座、同年7月2日にNABA北米ヘビー級王座も獲得し、3つの地域王座を保持した。

トップ戦線に躍り出たピーターは2005年9月24日、ニュージャージー州でウラジミール・クリチコと対戦。3度のダウンを奪うも、12回判定で敗れプロ初黒星を喫した。

2006年9月2日、ジェームズ・トニーを12回判定で破り、IBA世界ヘビー級王座とWBC世界ヘビー級王座への挑戦権を獲得。

2007年1月6日、ジェームズ・トニーとのダイレクトリマッチにも勝利。その後、当時のWBC世界ヘビー級王者オレグ・マスカエフとの試合が、マスカエフの怪我により延期となる。

2007年9月24日、WBC暫定王者に認定。2007年10月6日、ジャミール・マクラインを判定で下し、暫定王座の初防衛に成功した。

2008年3月8日、メキシコで正規王者オレグ・マスカエフと王座統一戦を行い、6回TKO勝ち。暫定王座の2度目の防衛と王座統一に成功し、WBC世界ヘビー級王座を獲得した。

2008年10月11日、ドイツで約4年ぶりに復帰したビタリ・クリチコの挑戦を受けるも、一方的な展開の末、8回終了時に棄権し王座から陥落した。

2009年3月27日、復帰戦でエディー・チェンバースと対戦するも、判定負け。

2009年7月25日にメキシコで復帰戦を行い、KO勝利を飾る。

2010年9月11日、ドイツでIBF・WBO世界ヘビー級統一王者のウラジミール・クリチコに挑戦。約5年ぶりの再戦となったが、10回KO負けを喫した。

2011年4月2日、ロバート・ヘレニウスと対戦するもKO負け。

2014年9月27日、約3年半ぶりの復帰戦でロン・オーブレイと対戦し、TKO勝ち。

2016年12月3日、クブラト・プレフと対戦し、腕の負傷により棄権し敗れた。

獲得タイトル

WBC世界ヘビー級ユース王座
USBA全米ヘビー級王座
NABF北米ヘビー級王座
NABA北米ヘビー級王座
IBA世界ヘビー級王座
第26代WBC世界ヘビー級王座

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