サムライスピリッツ斬紅郎無双剣

『サムライスピリッツ斬紅郎無双剣』は、SNKが1995年にリリースした対戦型格闘ゲームであり、サムライスピリッツシリーズの第3作目です。本作は、ネオジオをプラットフォームにアーケードゲームとして登場し、後に様々な家庭用ゲーム機にも移植されました。

ストーリー

物語は、『SAMURAI SPIRITS』と『真SAMURAI SPIRITS 覇王丸地獄変』の中間の時代設定で展開されます。無差別に人々を襲う「鬼」と恐れられた壬無月斬紅郎が、なぜか赤子を殺すことができなかったことをきっかけに、帯刀した侍のみを斬殺するようになります。そして、斬紅郎を討つため、12人の侍たちが立ち上がります。

システム

本作では、従来のシリーズからシステムが大きく変更されました。

蹴り攻撃の弱・中・強の廃止
武器破壊技から武器飛ばし技への変更
修羅・羅刹のモード選択システムの導入

怒りゲージは、従来のシリーズとは異なり、『龍虎の拳』や初期の『ザ・キング・オブ・ファイターズ』のように、ボタンを押し続けることで溜めることができます。また、敵の攻撃を受けて溜めた場合の方が、自力で溜めた場合よりも攻撃力が上昇します。「攻撃避け」は、敵との間合いによって「見切り」か「回り込み」に変化するなど、操作方法や使用目的は『ザ・キング・オブ・ファイターズ』と共通する部分が多くなっています。ABC同時押しで怒りゲージを任意に溜められるようになりましたが、攻撃を受けてゲージが満タンになった時より攻撃力は低いです。AB同時押しで、相手と離れている時は攻撃を回避、近い間合いでは相手の背後に回り込むことができます。

基本操作変更点

強斬りがABボタン同時押しからCボタンに変更され、蹴り攻撃は弱・中・強の3段階からDボタン1つに変更されました。しかし、レバー操作とDボタンの組み合わせで多彩な足技を繰り出すことが可能です。

対局選択

キャラクターごとに「修羅」と「羅刹」の剣質を選択できます。修羅は従来のシリーズのスタイルを踏襲しつつ新必殺技が追加されており、羅刹は修羅とは異なる特性を持ったキャラクターになっています。ただし、キャラクターによっては戦い方に大きな違いがない場合もあります。

レベル選択

対局開始前には、「剣聖」「剣豪」「剣客」の3段階のレベルを選択できます。

剣聖：常に怒りゲージが満タンで武器飛ばし必殺技が使用可能ですが、ガードができません。
剣豪：敵からダメージを受けることで怒りゲージが溜まり、『真SAMURAI SPIRITS』に近い戦い方になります。
剣客：敵の攻撃を一定回数自動でガードする機能があり、初心者向けです。

また、空中ガードや投げを回避できる攻撃避けなどのシステム、永久コンボや強力な連携技が多数存在します。斬紅郎戦では、一度倒しても復活し、最終戦に勝利することでゲームクリアとなります。最終戦では、タイムアップ時に体力が斬紅郎を上回っていてもゲームオーバーになるという特殊なルールがあります。

CPU戦では胴体切断が復活し（前作は対人戦のみ）、ナコルルとリムルルのみ胴体切断が発生しません。飛脚の代わりに肉や爆弾が画面外から飛んでくるようになり、「鍔ぜり合い」に加えて「睨み合い」が追加されました。

登場キャラクター

本作では、既存のキャラクターに加え、新たなキャラクターが登場しました。

緋雨閑丸（声：金田美穂）：記憶喪失の少年。鬼を探して旅をしています。
首斬り破沙羅（声：野中政宏）：鬼に恋人を殺された幽霊。復讐のために現世を彷徨っています。
花諷院骸羅（声：水津光司）：花諷院和狆の孫。鬼を倒すことを決意します。

その他、覇王丸、橘右京、ナコルル、ガルフォード、服部半蔵、千両狂死郎、牙神幻十郎、リムルル、天草四郎時貞といったシリーズお馴染みのキャラクターが登場します。

ボスキャラクターとしては、黒子（CPU専用の中ボス）と壬無月斬紅郎が登場します。

移植作品

本作は、ネオジオROM版、ネオジオCD版、ゲームボーイ版、プレイステーション版、セガサターン版、PlayStation 2/Wii版『サムライスピリッツ六番勝負』、Wii バーチャルコンソール版、アケアカNEOGEO版など、様々なプラットフォームに移植されています。

雑記

エンディングのスタッフロールには、次作『天草降臨』で復活する柳生十兵衛とシャルロットがコスプレをして登場します。韓国版では、花諷院骸羅が韓国人のキム・ウンチェという設定に変更されています。

サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣