サム・ラウシ

ニュージーランド出身の大型ロック

サム・ラウシ（Sam Lousi）は、1991年 7月20日にニュージーランドの主要都市、オークランドで生を受けたプロフェッショナルラグビーユニオン選手です。彼は主にフォワード第三列のロック（LO）として活躍しており、その体格は身長198センチメートル、体重116キログラムと、このポジションに求められる理想的なサイズを誇ります。ラインアウトでのボール獲得や、スクラムにおける推進力、さらにはフィールド全体でのパワフルなプレーなど、彼のフィジカルはチームにとって重要な武器となっています。

ラグビーリーグからユニオンへ

ラウシ選手の競技者としてのキャリアは、他の多くのラグビーユニオン選手とは異なる、非常にユニークな道筋を辿っています。彼は当初、13人制のラグビーであるラグビーリーグの世界でプロ選手として活動していました。ラグビーリーグで培われた、素早いアジリティやコンタクトスキルは、ラグビーユニオンへと転向した後も彼のプレーに活かされています。

キャリアの歩み：南半球での経験

ラグビーユニオンへの転向を果たした後、ラウシ選手はオーストラリアとニュージーランドの双方で経験を積みました。オーストラリアでは、地方チームであるNSWカントリーイーグルスでのプレーを経て、南半球最高峰のプロリーグであるスーパーラグビーに参加する強豪、ワラターズの一員となりました。ワラターズでは、世界トップクラスの選手たちと共にプレーする機会を得て、ロックとしての専門的なスキルや戦術理解を深めました。

ワラターズでの経験を積んだ後、ラウシ選手はニュージーランドに活動拠点を移しました。ここでは、国内最高峰のプロヴィンシャル選手権であるマイター10カップ（現在のバニティ・フェアイーストカップ）に所属するウェリントンでプレーし、ニュージーランド国内のラグビー文化に適応しました。さらに、ニュージーランドを拠点とするスーパーラグビーチーム、ハリケーンズにも加入しました。ハリケーンズでは、再びスーパーラグビーの舞台で、よりハイレベルな環境でのプレーを経験しました。この期間に、彼は選手としての幅を広げ、国際レベルでの競争力を身につけていったと考えられます。

欧州への移籍：スカーレッツでの挑戦

国内外での豊富な経験を積んだ後、ラウシ選手は新たな挑戦の場をヨーロッパに求めました。2019年、彼はウェールズに本拠地を置くプロフェッショナルクラブ、スカーレッツに加入しました。スカーレッツは、主にアイルランド、スコットランド、ウェールズ、イタリア、南アフリカの強豪クラブが集まる国際リーグ、プロ14（現在はユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップ）に所属しています。ラウシ選手は、このタフなリーグでチームのフォワードパックの要として活躍し、フィジカルなプレーとセットプレーでの安定感で貢献しています。

トンガ代表としての活躍とワールドカップ出場

国際舞台では、サム・ラウシ選手はトンガ代表としてプレーする資格を持ち、トンガ代表の一員として国際試合に出場しています。2021年1月時点でのトンガ代表キャップ数は8を数え、パシフィック・ネーションズカップなど、様々な国際大会で経験を積んできました。彼の代表キャリアにおける特筆すべき出来事の一つは、4年に一度開催されるラグビー界最大の祭典、ラグビーワールドカップへの出場です。ラウシ選手は、ラグビーワールドカップ2019日本大会に出場したトンガ代表スコッドに選ばれました。ワールドカップという最高峰の舞台で、世界の強豪国を相手にトンガ代表の勝利のために尽力しました。ロックとして、ラインアウトでのボール争奪や、激しいディフェンス、そして時には力強いボールキャリーでチームを牽引しました。

サム・ラウシ選手は、ラグビーリーグ出身という異色のキャリアを経て、ラグビーユニオンの世界でスーパーラグビーやプロ14といったトップリーグ、そしてラグビーワールドカップという国際舞台で活躍する、恵まれた体格とこれまでの経験から培われたスキルを持つ選手です。所属するスカーレッツ、そしてトンガ代表において、重要な選手の一人として認識されています。今後のキャリアにおいても、彼のさらなる活躍が期待されます。

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