ワラターズ

ニューサウスウェールズ・ワラターズ

ニューサウスウェールズ・ワラターズ（英: New South Wales Waratahs）は、南半球最高峰のラグビーユニオンリーグであるスーパーラグビーに参加する、オーストラリアのプロフェッショナルチームです。活動の拠点をシドニーに置いており、試合は主にシドニー・フットボール・スタジアムで開催されています。オーストラリア国内はもとより、日本など海外のラグビーファンからも注目されており、日本では「ワラタス」という略称で親しまれることも少なくありません。

チーム概要

このチームは、ニューサウスウェールズ州内の南部地域を除く範囲にあるラグビーユニオンクラブに所属する選手や、チームとプロ契約を結んだ選手の中から選ばれて編成されます。創設から2004年シーズンにかけては、「NSWワラターズ」という名称で活動していました。

チームの象徴ともいえるホームジャージは、鮮やかなスカイブルーを基調とし、ショーツはネイビーブルーが採用されています。チームの愛称は「Tahs（タース）」であり、これはファンやメディアによって広く使用されています。

経済的な側面では、日本の大手空調機器メーカーであるダイキン工業が、2016年から2018年までの3シーズンにわたりメインスポンサーを務めたことが特筆されます。これは、日系企業がオーストラリアを拠点とするスーパーラグビーチームの主要なスポンサーとなった初めての事例であり、日本とオーストラリアのラグビーにおける連携の一例として注目を集めました。

歴史

ワラターズというチームがスーパーラグビーの枠組みで活動を開始したのは1996年ですが、その母体となるニューサウスウェールズ州ラグビーユニオンの歴史は非常に古く、1882年にまで遡ります。スーパーラグビーが創設される前の時代、チームは1986年から1995年にかけて開催されていたサウスパシフィック・チャンピオンシップやスーパー10といった、現在のスーパーラグビーの前身にあたる国際大会にも参加し、経験を重ねていました。

スーパーラグビーの舞台では、特に2000年代以降にその実力を示し始めます。スーパー12と呼ばれていた時代の2002年シーズンには、総当り方式のレギュラーシーズンを2位で通過する躍進を見せましたが、プレーオフのセミファイナルで惜しくも敗退しました。その後、2005年シーズンには初の決勝進出を果たし、惜しくも準優勝という成績を残します。大会形式がスーパー14へと移行した後も、2008年シーズンに再び決勝の舞台に進出し、ここでも準優勝となりました。

そして、チームにとって歴史的な瞬間が訪れたのは2014年シーズンです。この年、ワラターズは圧倒的な強さを見せ、悲願であったスーパーラグビー初優勝を成し遂げました。これは長年の努力が実を結んだ瞬間であり、多くのファンに感動を与えました。また、2015年シーズンには、ラグビー日本代表のウイングとして活躍する松島幸太朗選手がチームに加入し、ワラターズの一員としてプレーしました。

チームの戦績を振り返る上で重要なのは、スーパーラグビーが過去に何度か大会形式を変更している点です。創設当初の1996年から2005年までは「スーパー12」、その後2010年までは「スーパー14」として行われました。参加チーム数も時期によって異なり、例えば2016年と2017年には一時的に18チームに拡大されたこともあります。さらに、COVID-19パンデミックの影響を受けた2020年と2021年には、国内リーグ形式の「スーパーラグビーAU」として実施され、2022年以降はニュージーランドやパシフィック諸島のチームも交えた「スーパーラグビーパシフィック」として再編成されています。ワラターズの成績は、それぞれの大会形式の下で記録されています。

主なタイトル

ワラターズが獲得した主要タイトルは以下の通りです。

スーパー12準優勝：1回（2005年）
スーパー14準優勝：1回（2008年）
* スーパーラグビー優勝：1回（2014年）

マスコット

チームには「ター・マン（Tah Man）」という公式マスコットがいます。アメリカンコミックスに登場するスーパーヒーローのようなマスクとマントを身に着けた姿が特徴です。また、2023年3月23日からは、女性スーパーヒーローの姿をした新たなマスコット「ター・ウーマン（Tah Woman）」も登場し、試合会場などでファンを楽しませています。

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