サラド川 (アルゼンチン)

サラド川について

サラド川（サラドがわ、英: Salado River）は、アルゼンチンの北部を流れる重要な河川であり、その名前は「塩を含む川」という意味を持っています。この川は、全長が1150kmに及び、起源はサルタ州にあります。最終的にはサンタフェ州においてパラナ川と合流します。この河川は、四季によって水量が大きく変化し、特に冬季には地域によってその河床が完全に干上がってしまうこともあるのです。

流域の特徴

上流・中流部

サラド川の源流は、アルティプラーノ高原の東端に位置し、アンデス地域ではフラメント川という別名で呼ばれています。アカイ山（標高6500m）やカタマルカ州との州境に近く、サルタ州のカチ山の雪解け水や雨水を集めて流れ始めます。サルタ州の州都サルタの南には、カブラ・コラル・ダムがあり、このダムにより流量が調整されています。

この川は、グラン・チャコ平原に入るといくつかの支流に分岐しますが、広い河床の中で実際に水が流れている部分はわずかです。特に乾燥した季節には、その水流が非常に少なくなることがあります。

サンティアゴ・デル・エステロ州域

サラド川は国道16号沿いに流れ、トゥクマン州との州境付近からサンティアゴ・デル・エステロ州に入る際に再びその名を付けられます。この州内には、もう一つの主要な河川であるドゥルセ川（「甘い川」という意味）が存在します。サラド川は北西から南東にかけて流れ、乾燥した地域の経済的・人口的な基軸となっています。また、川の流れはフィゲロア貯水池で調整され、デリバドール・ダムからは約200kmに渡る灌漑用の用水路が供給されています。

また、この川の下流部では広大な湿地帯が形成し、特に夏季には水位が上昇し洪水を引き起こすことがあります。アニャトゥージャ湿原を越えると、河川の流れは著しく減少し、多くの場合、川床が干上がってしまいます。サラド川はサンティアゴ・デル・エステロ州内で約800km流れ、この地域ではサルタから発祥したカホン川が最も重要な支流となり、最終的にはオルコネス川に変わった後にサラド川と合流します。

下流部

下流域では、サラド川はサンタフェ州内でサラド・デル・ノルテと呼ばれるようになります。ここでこの川は最後の重要な支流であるパラナ川と合流します。サンタフェ州は降水量が豊富であり、このためサラド川の水量が増加し、特に夏の雨季には周囲の川岸を越えて氾濫することがあります。有名な2003年の洪水は、サンタフェに深刻な影響を及ぼしました。サラド川は、パラナ川と合流する際にラグーンを伴った氾濫原を形成します。

まとめ

サラド川は、その変動する水量や独特な流域特性を持つ河川であり、地域の生態系や経済に重要な役割を果たしています。特に灌漑や洪水管理は、アルゼンチン北部の環境と人々の生活に密接に関わっていると言えるでしょう。

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