サラーバト・ジャング

サラーバト・ジャングの生涯と業績

サラーバト・ジャング（Salabat Jung）は、1718年11月24日に生まれ、1763年9月16日に亡くなったインドの歴史的な人物です。彼はデカン地方に位置するニザーム王国の第4代君主であり、1751年から1762年まで君主として在位しました。彼の治世は、王位継承を巡る争いや、外部勢力の干渉に彩られた tumultuous な時代でした。

王位継承の激動

サラーバト・ジャングは、彼の父アーサフ・ジャー1世が王国を創設した際の始祖でした。アーサフ・ジャーの死後、長男のガーズィー・ウッディーン・ハーンが王位を継承する権利を持っていたが、この時、彼はムガル帝国の宮廷に召集されていました。

この隙を突いて、次男のナーシル・ジャングが自ら王位を宣言し、その後、兄弟たちの間で熾烈な権力闘争が勃発しました。この争いにはイギリスとフランスがそれぞれの利益を求めて介入し、特にデカン地方への進出を狙っていました。実際、ナーシル・ジャングや甥のムザッファル・ジャングは、カーナティック戦争の最中に戦死しました。

新たな君主としての即位

1751年2月3日、ムザッファル・ジャングが暗殺されると、フランス人のビュシーによりサラーバト・ジャングが新たにニザームとして推挙されました。彼はその地位を得た後、3月にはニザームパトナムやコンダヴィードゥをフランスに譲渡し、その西欧勢力との関係を一層深めました。

マラーター王国との対立

サラーバト・ジャングの治世下では、マラーター王国との対立が続きましたが、彼の軍は徐々に劣勢に回り、1752年1月には講和を結ぶことになりました。この講和の結果、ニザーム王国はベラール地方の西部やハーンデーシュ地方をマラーターに譲渡し、さらにナーシク城とトリンバク城も手放すことになりました。

フランスとの条約

1753年11月23日、彼はフランスとの間でアウランガーバード条約を締結しました。この条約では、フランス軍の駐留費用として北サルカール地域を割譲しました。この時期、彼の統治下では、フランスとの連携がますます重要な意味を持ちました。

最後の苦難

1760年2月3日には、ニザーム王国軍がウドギルの戦いでマラーター軍に敗北し、さらに広大なデカン地域を割譲せざるを得ない事態に直面しました。1762年7月8日、彼は弟のニザーム・アリー・ハーンによって王位を追われ、ビーダル城に幽閉されました。そして翌1763年、彼は命を落とすこととなりました。

サラーバト・ジャングの治世は、彼の権力と国の行く末を揺るがす数々の試練によって形作られ、彼の政策と行動は後のネルズ（ニザーム王国）の歴史にも大きな影響を与えました。権力の腐敗、外部勢力の干渉、内部争いの渦中にあっても、彼の存在はニザーム王国の重要な一幕を形成していたと言えるでしょう。

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