サリー・テリー

サリー・テリーについて

サリー・テリー（Salli Terri）は、1922年9月3日にカナダで生まれ、1996年5月5日にアメリカのカリフォルニア州で亡くなったメゾソプラノ歌手です。彼女は20世紀のアメリカ音楽界において、特にその豊かな声質と表現力で、多くの人々に愛されました。

初期のキャリアと教育

テリーは音楽の道を志し、ミシガン州デトロイトにあるウェイン州立大学で音楽の学士号を取得しました。その後、南カリフォルニア大学で修士号を取得し、音楽教育の分野でもその才能を発揮しました。1950年代初頭には、日本の東京にあるアメリカンスクールで音楽と演劇を教え、帰国後はカリフォルニア州フラートンのフラートン短期大学で音楽理論を担当し、UCLAでは女声合唱団の指導を行いました。

音楽活動と業績

テリーの歌手としてのキャリアは、ロジェー・ワーグナー合唱団との共演から始まりました。彼女は多くのレコーディングでソロやアレンジを担当し、特に1953年にはロンドンで行われたエリザベス女王の戴冠式にも参加しました。この演奏は彼女にとって重要なステップであり、以降の音楽活動へと繋がりました。

彼女は、伝統的な音楽、ラブソング、フォークソング、バラードなど、多岐にわたるジャンルで活躍しました。また、サリー自身のソロアルバムも数多くリリースされ、映画やテレビ番組にも出演しました。特に1964年公開の映画『メリー・ポピンズ』では雌牛の声を演じ、その幅広い才能を証明しました。

自身の音楽活動に加えて、サリー・テリーは1959年の第1回グラミー賞で最優秀クラシック歌手部門にノミネートされ、アルバム『Duets with the Spanish Guitar』では共同演奏者たちが最優秀クラシック部門録音技術者賞を受賞しました。

私生活と晩年

プライベートでは、作曲家のジョン・ビッグスと結婚し、2人の娘に恵まれました。しかし、晩年には病にかかり、彼女の健康が蝕まれました。1996年、73歳でカリフォルニア州ロングビーチの自宅で息を引き取りました。

ディスコグラフィ

サリー・テリーの音楽キャリアは数多くのアルバムを通じて証明されます。主な作品には以下のようなものがあります：

• - Duets with the Spanish Guitar (1958年、Capitol) - ローリンド・アルメイダ、マーティン・ルダーマンとの共演
• - For My True Love (1959年、Capitol) - ローリンド・アルメイダとの共演
• - Songs of Enchantment (1959年、Capitol) - ローリンド・アルメイダとの共演
• - At the Gate of Heaven (1960年、Capitol)
• - Songs of the American Land (1960年、Capitol)
• - I Know My Love (1961年、Capitol)
• - The Negro Spiritual (1964年、Capitol) - ロジェー・ワーグナー合唱団との共演

サリー・テリーは、アメリカ音楽界に多大な影響を与えたアーティストであり、その音楽は今も多くの人々に親しまれています。

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