サルチェード (Sarcedo)

サルチェードは、イタリア共和国ヴェネト州ヴィチェンツァ県に位置する、人口約5,300人の基礎自治体（コムーネ）です。この地域には、同じヴィチェンツァ県内に「サルチェード（Salcedo）」という類似した名称の村が存在しますが、こちらはサルチェードから北へ約10km離れた山中にあります。

地理

サルチェードは、県都ヴィチェンツァから約20km北に位置し、都市ティエーネに隣接しています。アスティコ川の右岸（西岸）に位置し、肥沃な平野が広がっており、周辺にはブレガンツェ、ファーラ・ヴィチェンティーノ、モンテッキオ・プレカルチーノ、ティエーネ、ヴィッラヴェルラ、ズリアーノといったコムーネが隣接しています。気候分類では、zona E, 2445 GGに分類され、地震リスク階級では、zona 2（sismicità media）に分類されています。

歴史

地理的な条件の良さから、この地域では先史時代から人々の活動が見られました。Grotta dei Covoliからは新石器時代の遺物が出土しており、ローマ帝国時代後期にはネクロポリスが築かれました。出土した壷などの遺物は、サントルソの高地ヴィチェンツァ考古学博物館に収蔵されています。

町の起源は800年から900年頃に遡ると考えられており、その名称は「オークの木」を意味するラテン語のquerquetumに由来するとされています。文書に初めて登場するのは983年で、ヴィチェンツァ司教ロドルフォによってヴィチェンツァの聖フェリーチェ僧院に与えられた特許状にその名が記されています。1050年から1120年頃には、封建的な領主支配から自治権を持つコムーネへと移行しました。

サルチェード城は、神聖ローマ皇帝オットー3世の文書に、強化が必要な城として初めて記録されました。その後の記録は少ないですが、1210年には司教の所有、1292年にはヴィチェンツァ伯の所有として記されています。1312年から1313年にかけてのパドヴァとヴィチェンツァの戦闘では破壊されました。1404年には、ヴィチェンツァとともにヴェネツィア共和国の支配下に入り、16世紀初頭にはカンブレー同盟戦争で攻撃を受けました。その後、フランス領（1797年～1813年）、オーストリア領（1813年～1866年）を経て、1866年にイタリア王国に編入されました。

この地は、貴族や富裕層によって建てられた邸宅が多く、特に18世紀から19世紀にかけて多くの邸宅が建設されました。

産業

サルチェードは、手工業の町として大きく発展しました。現在では、手工業だけでなく工業や商業も発展しており、経済的に重要な役割を担っています。農業は往年に比べて比重が低下しましたが、依然として重要な産業であり、地域文化の核としても機能しています。特に、伝統的な祭りの色彩を帯びた「ブドウ祭り」は1953年から開催され、地域住民に親しまれています。

この地域には数多くの見所や文化遺産があり、歴史と伝統が息づく街として多くの人々を魅了しています。

外部リンク

* コムーネ公式サイト （イタリア語）

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