サンウェイ・モノレール

サンウェイ・モノレール：マレーシア初の公共モノレール

サンウェイ・モノレールは、マレーシアの首都クアラルンプール郊外、セランゴール州プタリン・ジャヤのサンウェイ市周辺で運行されていたモノレールシステムです。別名「サントレック2000」とも呼ばれていました。このモノレールは、サンウェイ市内の3つの駅を結ぶ環状線で構成されており、マレーシアで2番目、そして初の公共モノレールとして2000年に開業しました。これは、クアラルンプール・モノレールが運行を開始する3年前のことでした。

路線と車両

サンウェイ・モノレールの路線は、サンウェイ・ラグーンのウォーターテーマパークを取り囲むように敷設された全長3kmの鋼製軌道の環状線を中心に展開していました。この環状線には、以下の3つの主要な駅が設けられていました。

1. サンウェイ・ピラミッド・ショッピングセンターの北側
2. サンウェイ・ピラミッドの西側（現在はショッピングセンターの拡張敷地内）
3. サンウェイ大学カレッジおよびモナシュ大学マレーシアキャンパスの東側（両大学は隣接）

さらに、環状線から西側へ600mの支線が伸び、モノレールの車庫へと繋がっていました。

モノレール車両は、イギリスの機関車製造会社であるセヴァーン＝ラム社製で、5両編成のSL5列車2編成が使用されていました。このモノレールシステムの総建設費用は約1,000万USドルでした。

拡張計画と閉鎖、そして復活の可能性

サンウェイ・モノレールは、開業当初から将来的な拡張を見据えていました。具体的には、既存の環状線に加え、さらに2本の環状線を建設し、3本の環状線全体で駅間を相互接続するという計画でした。しかし、これらの拡張計画は実現することはありませんでした。

残念ながら、サンウェイ・モノレールは開業後数年で運行を中断し、閉鎖されました。しかし、その路線や車庫の軌道部分は現在も残っています。2007年には、モノレールの復活、さらにはKTMコミューターのスティア・ジャヤ駅（サンウェイ駅への改称が提案されていた）との接続についての話し合いが行われました。2007年11月時点では、復活に関するわずかな情報も存在しましたが、具体的な動きには至りませんでした。その後、この路線は地域の大学を結ぶ歩道として整備されました。

まとめ

サンウェイ・モノレールは、マレーシア初の公共モノレールとして期待されましたが、数年で運行を停止しました。しかし、その軌道は現在も残り、その存在を静かに物語っています。かつては地域の交通を支え、将来の発展を夢見ていたサンウェイ・モノレールは、今では歴史の一部となっています。

関連情報

マレーシアのモノレール
セヴァーン＝ラム
* サンウェイ・モノレール（ウェイバックマシンによるアーカイブ）

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