サンクトペテルブルク交響楽団

サンクトペテルブルク交響楽団は、ロシアのサンクトペテルブルクを本拠地とする名門オーケストラです。サンクトペテルブルク・フィルハーモニア協会に所属する2つのオーケストラのうちの一つで、その豊かな歴史と卓越した演奏で、世界中の音楽ファンを魅了してきました。名称が似ている「サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団」と区別するため、「サンクトペテルブルク交響楽団」と呼ばれることが多いです。

歴史

1931年、サンクトペテルブルク放送のオーケストラとして誕生しました。設立当初は、放送用の音楽を演奏する団体でしたが、次第にコンサート活動も行うようになり、その実力を高めていきました。ソ連時代には「レニングラード交響楽団」という名称で知られていました。

1953年、レニングラード・フィルハーモニア協会の傘下に入り、更なる発展を遂げます。アルヴィド・ヤンソンスやユーリ・テミルカーノフといった著名な指揮者が首席指揮者を務め、オーケストラの芸術性を磨き上げました。特に、1977年から2018年まで長きにわたり芸術監督兼首席指揮者を務めたアレクサンドル・ドミトリエフの功績は大きく、彼のリーダーシップの下、オーケストラは国際的な評価を確立しました。現在は、ウラディーミル・アリトシュレルが首席指揮者として、オーケストラを率いています。

レコーディング

サンクトペテルブルク交響楽団は、数多くのレコーディングを行っています。ドミトリエフ指揮によるチャイコフスキーとラフマニノフの交響曲シリーズは、オーケストラの代表的な録音として知られています。また、小松一彦指揮による貴志康一作品集は、日本の作曲家の作品を世界に紹介する貴重な録音として評価されています。

来日公演

日本へも度々来日し、その素晴らしい演奏を披露しています。特に、2007年秋に東京・日比谷公会堂で行われた井上道義指揮によるショスタコーヴィチ交響曲連続演奏会は、大きな話題を呼びました。この演奏会では、最初の4回のコンサートで1番から3番、5番から7番、10番、13番という8つの交響曲がまとめて演奏され、聴衆に強烈な印象を与えました。

サンクトペテルブルク交響楽団は、その長い歴史の中で培われた伝統と、常に新しい音楽への挑戦を続ける姿勢で、これからも世界中の音楽ファンを魅了し続けることでしょう。

関連情報

サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団: サンクトペテルブルク・フィルハーモニア協会に所属するもう一つのオーケストラ。
ロシア国立交響楽団 (モスクワ): モスクワを拠点とするロシアの代表的なオーケストラ。
サンクトペテルブルク・フィルハーモニア協会: サンクトペテルブルク交響楽団が所属する音楽協会。

外部リンク

St.Petersburg Academic Symphony Orchestra - 公式ウェブサイト): 公式サイトでは、最新の公演情報やオーケストラの活動を知ることができます。

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