サングリア

サングリア：スペイン生まれのフレーバードワイン

サングリアは、スペインやポルトガルで愛されている、赤ワインをベースにしたフレーバードワインの一種です。その鮮やかな色合いとフルーティーな味わいは、特に夏にぴったりで、多くの人々に親しまれています。

サングリアの作り方

基本的なサングリアのレシピは、赤ワインに一口大またはスライスした果物、そして甘味料を加えるというものです。風味付けとして、ブランデーやシナモンなどのスパイスを少量加えることもあります。これらの材料を混ぜ合わせ、一晩寝かせることで、果物の風味がワインに溶け込み、より豊かな味わいになります。

使用する果物には、レモン、リンゴ、バナナ、オレンジなどが一般的です。甘味料としては、砂糖や蜂蜜、またはオレンジジュースなどの果物ジュースが用いられます。ラム酒で風味を加えたり、炭酸水や水で割って飲むなど、様々なバリエーションがあります。

冷蔵庫や氷でしっかりと冷やし、フルーツの味をワインに馴染ませることで、より一層美味しくなります。スペインでは、日常的な場面で気軽に飲まれており、比較的安価なワインで作られることが多いようです。家庭で作るだけでなく、果汁飲料メーカーが既製品を製造販売していることもあります。

サングリアの名前の由来

「sangría」という言葉は、スペイン語で「出血」「瀉血」「流出」などを意味します。その語源は、「血」を意味する「sangre」に由来するとされています。サングリアの鮮やかな赤い色が、血を連想させることから名付けられたと考えられています。

類似の飲料

スペイン北部では、桃やネクタリンを使った「スーラ（zurra）」と呼ばれるサングリアもあります。また、赤ワインをソーダのみで割った「ティント・デ・ベラーノ（tinto de verano）」も、同様に人気のある飲み物です。

赤ワインの代わりに白ワインを使ったものは、「サングリア・ブランカ（sangría blanca）」と呼ばれます。主にソーヴィニョン・ブランが用いられ、より爽やかな味わいが楽しめます。

日本では、日本酒にドライフルーツ、テンサイ糖、ハッカ糖で香りと甘味をつけた「ぽんしゅグリア」という商品も販売されています。

酒税法との関係

日本でサングリアを家庭で作る際には、酒税法に注意が必要です。日本では、酒類製造免許を持たない人が、アルコール度数20度未満の酒類（ワインなど）をベースに果実酒を製造することは、原則として禁止されています。

どうしてもサングリアを作りたい場合は、飲む直前にワインに果物を加える必要があります。これは、「消費の直前において酒類と他の物品との混和をする場合」という例外規定に該当するためです。ただし、この方法で作ったものを「サングリア」と呼べるかどうかについては、議論の余地があります。

飲食店などが客の注文に応じてサングリアを提供する場合は、酎ハイやカクテルと同様の扱いとなります。また、店舗で提供されるサングリアは、アルコール度数20度以上の蒸留酒をベースにしている必要があります。

国税庁も、通常のレシピで作られたサングリアは酒税法違反にあたるという見解を示しています。

サングリアは、手軽に作れて美味しい飲み物ですが、日本で楽しむ際には酒税法に注意が必要です。ルールを守って、安全にサングリアを楽しみましょう。

関連項目

* グリューワイン

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