サンゲリア

サンゲリア (ZOMBIE)

『サンゲリア』は、ルチオ・フルチが監督を務めた1979年のホラー映画で、イタリアとアメリカの合作です。特に、日本では1980年5月24日に公開され、多くの観客の注目を集めました。この映画は、ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』が世界的にヒットしたことを受けて製作された、ゾンビをテーマにした作品の一つです。

物語は、ゾンビが出現する不気味な島、マトゥール島を舞台に展開します。映画の中では、ゾンビの造形が非常に特徴的で、特殊メイクアップアーティストのジャネット・デ・ロッシの手によって、リアルかつグロテスクな姿に仕上げられています。ゾンビたちはただの顔色の悪い存在ではなく、腐敗が進んだ姿や時には虫にたかれる様子が描かれており、視覚的に衝撃的な表現で観客を惹きつけました。

作品の流れと特徴

物語はニューヨーク湾の漂流中のクルーザーから始まります。警察の捜査官たちがそのクルーザーで異常事態に遭遇し、腐乱した男に襲われるシーンから始まります。この奇妙な事件は、登場人物たちをマトゥール島への冒険へと導きます。主人公のアン・ボールズと彼女の恋人ピーター・ウェストは、カリブ海にある父親の待つマトゥール島を訪れることになりますが、そこには恐るべきゾンビの恐怖が待ち受けています。

フルチ監督は、一連の特殊な医学的検査を通じて、ゾンビ化の原因を探ろうと奮闘するメナード医師というキャラクターを設定しましたが、島の秘密は解明されないまま進行します。視聴者は、出てくるゾンビたちがどのように生まれたのかを知ることができません。時には、数世代前のコンキスタドール（スペイン兵）がゾンビとして蘇るという設定もあり、驚きと不気味さが増幅されています。

特殊メイクとグロテスクな描写

この映画の最大の魅力の一つは、視覚的なグロテスクさです。サメとの格闘や、眼球が串刺しにされるシーン、血管が引きずり出される瞬間など、見る者に強烈な印象を与えます。ゾンビによる攻撃の際には無情な迫力があって、まさにホラー映画の醍醐味を感じさせます。

結末とその影響

物語がクライマックスに達すると、ゾンビたちによる襲撃が激化し、主要なキャラクターたちは絶えず襲われる危機に直面します。数々の死闘の末、島からの生還を目指すアンとピーター、ブライアンたちですが、その逃避行の最中に新たな悲劇が待っています。この映画は、恐怖、サバイバル、そしてゾンビというテーマが組み合わさり、見応えがある仕上がりとなっています。

『サンゲリア』は、その過激さゆえに論争も多く起きましたが、今日でもホラー映画の傑作として愛され続けており、シリーズ展開や続編の制作にもつながっています。また、音楽もファビオ・フリッツィによって手がけられており、映画の恐怖感を一層引き立てています。本作は時間が経っても色あせることのない、視覚と聴覚における衝撃的な体験を提供しています。

今なお日本では、『サンゲリア』のオリジナル版が様々なメディアを通じて発信されており、映画ファンにとっては必見の作品となっています。

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