サンゴーカメラ

サンゴーカメラの誕生と池袋での競争

サンゴーカメラは、1981年に永豊企業株式会社のカメラ事業部門として、東京都豊島区東池袋に設立された家電量販店です。通称「35（SUNGO）カメラ」とも呼ばれ、池袋駅東口のサンシャイン60通りに店舗を構えていました。1980年代当時、同じく東池袋に店舗を構えるビックカメラやさくらやといった競合店としのぎを削り、価格面で引けを取らない評判を確立していました。

テックサンゴーへのリニューアルと挫折

1980年代末には、店舗を隣接する系列店と統合し、複合ビルとするための改築工事に着手しました。そして1991年、サンゴーカメラは「テックサンゴー（TECH35）」としてリニューアルオープンを果たします。「女性客に心地よい空間」をコンセプトに、イメージキャラクターとして俳優の火野正平を起用しました。リニューアルによって売り場面積は倍増し、ゆったりと買い物ができるように、店員による声掛けや呼び込みを廃止しました。

しかし、開店直後に予期せぬ長期休業に見舞われ、その間に顧客の流れが変化してしまいました。価格競争から離脱したことも重なり、顧客離れは深刻化。テックサンゴーはほどなく閉店、廃業へと追い込まれました。テックサンゴーのイメージソング「ゴメンネ」の歌詞には、この長期休業に対するメッセージが込められていたと言われています。

店舗跡地の変遷

テックサンゴー閉店後、その跡地には1993年にセガ・エンタープライゼス（現・セガ）が大型アミューズメントセンター「池袋GIGO」をオープンしました。セガによる直営は約19年間続き、2012年にはセガのアミューズメント施設運営事業が子会社「セガ エンタテインメント」に分離され、2013年には『セガ池袋GIGO』に改称されました。

2020年には「セガ エンタテインメント」が株式会社GENDAに譲渡（その後、社名をGENDA SEGA Entertainment、さらにGENDA GiGO Entertainmentに改称）され、セガ関連会社による運営は終了しました。しかし、「セガ池袋GIGO」という名称はそのまま維持されました。

2015年には、ヒューリックが当店ビルを取得し、2020年にはイリュウインベストメントがヒューリックから同ビルを取得しました。

2021年、GENDA SEGA Entertainmentはセガ池袋GIGOが入居するビルの賃貸借契約満了とリニューアルを理由に、同年9月20日をもって「セガ池袋GIGO」を閉店しました。その後、ビルはリニューアル工事を経て「ラグーン池袋ビル」と改称されました。

「ラグーン池袋ビル」は、トレーニングジム「UNDEUX」や100円ショップ「ダイソー」などが入居する商業ビルとして生まれ変わり、GENDA GiGO Entertainmentは同ビルの地下1階～地下2階に「GiGO 池袋2号館」として再出店しました。2022年4月28日より順次テナントが開店し、新たな賑わいを見せています。

イメージキャラクター

所ジョージ - サンゴーカメラ

1981年の開店当初から、タレントの所ジョージがCMに起用されました。弁慶に扮した所さんの後ろで、セットの桜の木が折れたり、橋が壊れたりするコミカルな演出が話題を呼びました。CMソングには、『山男の歌』（後に『おお牧場はみどり』に変更）の替え歌が使用されました。

所ジョージは、テレビ番組「テレビ探偵団」にゲスト出演した際（1989年1月29日放送分）、このCMについて語り、橋が壊れたり桜が折れたりする演出は、同業のさくらや、ヨドバシカメラを意識したものであったが、誰も気づかなかったと述懐しました。

火野正平 - テックサンゴー

テックサンゴーのリニューアル時には、俳優の火野正平がイメージキャラクターに起用されました。イメージソング「ゴメンネ」は、長期休業に対するメッセージが込められていると言われています。

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