サンダタンジュウ

サンダタンジュウ（Bothriodon sandaensis）について

サンダタンジュウは、2004年に日本の兵庫県三田市で発見された古代の哺乳類で、アントラコテリウム科ボトリオドン属に属します。この種の化石は、古第三紀にあたる約3700万年前のものとされており、ゼロから始まった大規模な動物網の中で特に興味深い存在です。
体長は約1.5メートルと推定されており、その発見によって当時の動物たちの生態や環境を知る貴重な手がかりが得られました。

発見の経緯

サンダタンジュウの化石は、2004年5月、三田市富士が丘の道路工事現場で掘り出されました。この現場では、草食動物の足跡やバク上科の化石と共に発見されたことが大きな注目を集めています。
化石が見つかった地層は吉川層と呼ばれ、神戸層群に含まれています。研究によってこの層の年代は約3700万年前であると特定されており、三田市周辺の化石産地は、アジア地域においても希少な古第三紀の哺乳類化石の発見地として注目されています。
特に日本で古第三紀哺乳類化石として発見された産地は数が限られており、サンダタンジュウの発見は日本の古代生物研究において重要な一歩となりました。

化石の管理と研究

発掘された化石は、博物館のボランティアの協力を通じて2004年5月24日に採集され、その後MNHAH D1-029182という標本番号で管理されています。この標本は、下顎の一部である第二から四小臼歯および第一から三大臼歯を含む、ほぼ完全な下顎頬歯列を伴ったものです。
研究は、人と自然の博物館の三枝春生博士、松原尚志博士、林原自然科学博物館の鍔本武久博士、京都教育大学の田中里志博士らによって進められました。彼らは、この下顎の歯の並びや間隔において従来の種との違いを発見し、2007年に日本地質学会の『Island Arc』という論文誌において、この化石をボトリオドン属の新種として記載しました。

サンダタンジュウの意義

サンダタンジュウはボトリオドン属の初期の種とされており、化石の発見は単なる古代の動物の痕跡にとどまらず、当時の生態系や環境の理解を深める大きな助けとなるものです。この新種の発見によって、哺乳類の進化に関する研究がさらに進展することが期待されます。
また、サンダタンジュウのような貴重な化石の発見は、地域の歴史的価値を高めるだけでなく、古生物学への関心や教育にも寄与しています。今後もこのような発見が続くことが、我々の知らない大昔の動物たちに対する理解を進めるための鍵となるでしょう。

もう一度検索