神戸層群

神戸層群

神戸層群（こうべそうぐん）は、新生代古第三紀の始新世末から漸新世に形成された地層で、淡路島北部から神戸市西区、須磨区、淡河、吉川、三田周辺まで広がっています。特に、保存状態の良い海生・淡水の貝化石や陸生植物の化石が多数発見されており、この地域の地質学的な価値が高く評価されています。

概要

神戸層群は淡路島の北部から南北方向に広がり、六甲山の西端に沿っています。具体的には、塩屋、名谷、白川、丸山、鈴蘭台、藍那、さらに西は加東市や三木市まで続く大規模な丘陵地帯を形成しています。神戸層群の形成時期は、長い間1600万年前から1500万年前とされていましたが、1996年の研究により、具体的には神戸市西部から三田市付近の地層は約3700万年前から3100万年前のものであることが明らかになりました。この研究は、淡路島北部で発見された岩屋層からのサンプル分析に基づいています。

地層の構成

神戸層群を構成する主要な累層は以下の通りです。

• - 神戸地域

- 多井畑累層：約90m
- 白川累層：約120m
- 藍那累層：約70m

• - 三田地域

- 有野累層：約175m
- 吉川累層：約180m
- 淡河累層：約190m

これらの累層は、白っぽい色合いを持つ凝灰岩、泥岩、砂岩、礫岩からなり、特に白い凝灰岩層が特徴的です。この凝灰岩層には、豊富な植物化石が含まれており、保存状態も非常に良好です。

神戸層群の命名

神戸層群という名前は、古生物学者の鹿間時夫による研究に由来します。彼は1938年の論文で、明石海峡付近の第三紀層に対する名称として「神戸層群」を提唱しました。その後の研究により、この層がさらに広範囲にわたることが判明し、形成された地域全体を指す用語として定着しました。

化石の種類と年代

神戸層群から発見される化石の多くは、かつて存在した古神戸湖に由来しています。この湖には亜熱帯的気候の下で育った植物が数多く生息していました。特に、アデク属やメタセコイアといった亜熱帯植物が見つかっており、保存状態も非常に良好です。また、最近では神戸市北区からサイの仲間に属するザイサンアミノドンと推測される化石も発見されています。

採集と観察

白川峠の木の葉石は有名で、この地域では木の葉の化石が多く採集されていました。現在も神戸市北区のキャンプ場近くや須磨区の一部で化石が見つかりますが、宅地開発や環境の変化により採集場所は限られています。将来的には新たな場所の発見が期待されますが、アクセス制限があるため、採集は難しくなっています。

まとめ

神戸層群は、淡路島北部から神戸市にかけて形成された地層であり、地質学的に貴重な資源が数多く存在しています。特に充実した化石群は、この地域の自然環境の長い歴史を物語っています。今後の研究に期待が寄せられています。

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