三枝春生

三枝春生 - 日本の古脊椎動物学者

三枝春生（さえぐさ はるお、1958年 - 2022年）は、兵庫県立大学で准教授を務め、幅広い研究と教育活動で知られる古脊椎動物学者です。彼が特に注目を浴びたのは、兵庫県で発見された竜脚類恐竜「丹波竜」の記載と命名に関する業績です。非常に多才な研究者であった彼は、化石の発見や分類に加え、公共の教育普及にも力を注いでいました。

学歴と初期の活動

三枝は1958年に東京都で生まれ育ち、幼い頃から化石採集に情熱を燃やしていました。学生時代には長野県の野尻湖でナウマンゾウの発掘に参加した他、埼玉大学で分子生物学を専攻し、卒業後は京都大学の大学院で地質学と鉱物学を学びました。1988年に理学博士の学位を取得後、彼は信州大学で研究員として活動を開始し、兵庫県内での博物館設立にも関与しました。

研究活動

三枝の研究は長鼻目の化石から始まり、特にステゴドン類の進化と機能的形態に焦点を当てました。彼は国内外のフィールドワークに積極的に参加し、特に神戸層群や篠山層群での化石調査を主導しました。市民ボランティアと共に行った化石調査では、多くの新たな発見があり、彼の活動は多くの人々に自然科学に対する興味を促しました。

恐竜研究にも携わり、2009年にはティラノサウルス上科の歯化石を発表しました。丹波竜の化石は特に注目を集め、これは日本国内で発見された最大の草食恐竜であり、三枝はこの恐竜を「タンバティタニス・アミキティアエ」と命名しました。

教育と普及活動

三枝は学問だけでなく、教育普及活動にも尽力しました。例えば、3Dモデルを用いてミエゾウや丹波竜の復元骨格模型を作成し、それを通じて子どもたちや一般の人々に恐竜の世界を広める努力をしました。

献名

三枝の業績は評価され続け、2024年には日本産の新たな角竜「ササヤマグノームス・サエグサイ」が彼にちなんで命名されました。この角竜の化石は2007年に発見され、その名は彼の功績を讃えるものです。

メディア出演

三枝は多くのメディアに登場し、恐竜に関する知識と研究成果を広く一般に伝えました。彼は『NHKスペシャル』などのドキュメンタリー番組に出演し、恐竜や古生物学の魅力を語る機会を持ちました。

死去と遺志

2022年1月12日、三枝は兵庫県西宮市の自宅で亡くなりました。享年は63歳でした。彼の研究と教育に対する情熱は、今も多くの人々に影響を与え続けています。彼の業績は後世にわたり語り継がれることでしょう。

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