サンチャゴ島 (ガラパゴス)

サンチャゴ島の概要

サンチャゴ島（英名：ジェームズ島）は、ガラパゴス諸島の一つで、特に1835年にチャールズ・ダーウィンが訪れたことで知られています。名前は、カリブ海でコロンブスが発見した最初の島にちなんでおり、スペイン語では「Isla Santiago」と呼ばれています。島は広さ585km²を誇り、北西の楯状火山が907mの最高地点となっており、その背後にはもう一つの火山が低地に広がっています。サンチャゴ島は、火山活動の影響を受けた独特の地形を持ちます。

地理

サンチャゴ島の最古の溶岩流は75万年前に形成され、その地形には様々な特徴があります。東側にはサリバン湾が位置し、対岸には美しいバルトロメ島が見えます。この湾には1890年のパホイホイ溶岩流があり、観賞に適した黒い溶岩や、その特徴的な形状を持つアア溶岩の痕跡があります。また、サリバン湾にはカメが営巣する小さな浜も存在し、多くの訪問者がここを訪れます。

カズン・ロックは、サンチャゴ島の東海岸沖にあるダイビングスポットとして知られています。ここは水面から約10m隆起した火山岩で形成されており、海中の生物を観察するのに適した場所となっています。

プエルト・エガスは島の西側に位置し、ここもダイビングやシュノーケリングに最適なスポットです。長い溶岩の海岸線には多様な野生生物が生息しており、ウミイグアナやガラパゴスベニイワガニ、さらにはオットセイのコロニーを見ることができます。

生物

サンチャゴ島には多くの固有の生物が生息しています。場所によってはウミイグアナやガラパゴスゾウガメ、ガラパゴスオットセイが見られ、これらは訪れる観光客にとって魅力的な存在です。特にウミイグアナはこの島の象徴ともいえる存在で、黒い溶岩に日光浴をする姿が印象的です。また、ダーウィンフィンチやガラパゴスノスリなども観察される機会が多いです。

かつて、北岸にはベニイロフラミンゴが生息していましたが、大雨による土砂崩れでラグーンが消滅し、その姿を消しました。

保全状況

サンチャゴ島は、歴史的に海賊などが立ち寄る場所でもあり、1800年代から1900年代初頭には多くの外来種が導入されました。これらの動物は、島の固有種に大きな影響を及ぼしました。特にヤギは1830年にアメリカの軍艦から放たれ、生態系に悪影響を与えました。また、ガラパゴスリクイグアナは絶滅の危機に瀕し、卵を食べる外来猪の影響を受けていました。しかし、1975年からの保護活動により、ガラパゴスゾウガメの復帰や、リクイグアナの飼育・放流が進められました。

近年、ガラパゴス国立公園当局による保全活動によって外来種が排除され、生態系の回復が図られています。特にヤギや猪、驢馬の根絶が成功し、2019年には他の島からリクイグアナが放たれました。これらの取り組みにより、サンチャゴ島はその美しい自然と生態系を取り戻しつつあります。

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