サンティアゴ・サマニエゴ

サンティアゴ・ナサニエル・レイス・サマニエゴは、1974年 1月25日にパナマのパナマシティで生まれた元プロボクサーです。ボクシング史に名を刻むレジェンド、ロベルト・デュランを従兄に持つ彼は、偉大なファミリーの系譜を受け継ぎ、リング上で数々の激闘を繰り広げました。主にスーパーウェルター級で活躍し、世界の頂点に立つ栄光を手にしています。

彼のプロキャリアは、1993年7月17日に幕を開けました。着実に経験を積み、その実力を伸ばしていったサマニエゴは、デビューから約3年後の1996年6月1日、ギムナシオ・ヌエヴォ・パナマで行われたNABO北米ウェルター級タイトルマッチで、当時の王者アーサー・アレンと対峙します。この一戦で、彼は試合開始からわずか1分41秒という短い時間で相手をマットに沈める鮮烈なKO勝利を収め、見事タイトルを獲得しました。

北米王座獲得の勢いに乗り、彼はさらに上のレベルを目指します。1997年2月22日には、ドイツ・ハンブルクを舞台に、WBO世界ウェルター級王座決定戦でミハエル・ロエベと対戦しました。自身初となる主要世界タイトル挑戦でしたが、結果は12回をフルに戦い抜き、ジャッジ3者ともに相手を支持する0-3の判定負け。惜しくも世界王座獲得は叶いませんでした。

階級をスーパーウェルター級に上げ、再び世界挑戦の機会を伺います。2000年8月12日、マイアミで行われたIBA世界スーパーウェルター級タイトルマッチで、王者サントス・カルドナに挑みます。接戦となった試合は12回判定まで持ち込まれましたが、1-2の僅差で敗れ、ここでも世界タイトルには手が届きませんでした。

しかし、サマニエゴの挑戦は続きます。2001年8月18日、コロンのアレナ・パナマ・アル・ブラウンで、WBAフェデラテンスーパーウェルター級王者ハビエル・カスティーロとの一戦に臨みました。この試合では、7回1分49秒にTKO勝利を飾り、地域タイトルであるWBAフェデラテンスーパーウェルター級王座を獲得。再び世界ランク上位へと浮上する足がかりとしました。

そして、キャリア最大のハイライトが訪れます。2002年8月10日、フランスのマルセイユで開催されたWBA世界スーパーウェルター級暫定王座決定戦で、マナドゥ・ティアムと対戦しました。この重要な一戦で、サマニエゴは終盤に相手を圧倒し、12回TKO勝利を収めてWBA世界スーパーウェルター級暫定王座を獲得。ついにメジャー団体の世界タイトルを手中に収めました。

暫定王座獲得からわずか1ヶ月後の2002年9月14日、状況が大きく動きます。WBA正規王者であったフェルナンド・バルガスが、WBC王者オスカー・デ・ラ・ホーヤとの王座統一戦に敗北。この結果、デ・ラ・ホーヤがWBAスーパー王座に認定されたことに伴い、規定に基づきサマニエゴの保持していた暫定王座が、正規王者に次ぐ位置付けであるレギュラー王座へと昇格することとなりました。こうして、サンティアゴ・サマニエゴは名実ともにWBA世界スーパーウェルター級レギュラー王者となったのです。

しかし、世界王座の初防衛戦は厳しい結果となりました。2003年3月1日、ボクシングの聖地ラスベガスで行われたアレハンドロ・ガルシアとの一戦。この試合でサマニエゴは3回1分46秒にTKO負けを喫し、王座獲得後わずか1度の防衛も果たせず、世界王座から陥落しました。

王座陥落後も、サマニエゴは再び世界のトップ戦線に返り咲くべく戦いを続けました。2004年9月4日には、マンダレイ・ベイ・イベント・センターでローシル・ウェールズとWBA世界スーパーウェルター級指名挑戦者決定戦を行いましたが、9回に負傷による判定負けを喫し、前王者のガルシアへの再挑戦権獲得には至りませんでした。その後も地域タイトル挑戦などを行いましたが、世界の頂点に返り咲くことは叶いませんでした。2011年2月4日にアメリカ、コネチカット州で行われたブラディーネ・ビオッセ戦での3回TKO負けを最後に、彼はプロボクサーとしての長いキャリアに幕を下ろしました。

獲得タイトル

NABO北米ウェルター級王座
WBAフェデラテンスーパーウェルター級王座
WBA世界スーパーウェルター級暫定王座
WBA世界スーパーウェルター級レギュラー王座

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