サンディエゴ・コンキスタドアーズ

サンディエゴ・コンキスタドアーズ：幻に終わったABAの挑戦

サンディエゴ・コンキスタドアーズは、1972年から1975年までABA（アメリカン・バスケットボール・アソシエーション）に存在したバスケットボールチームです。カリフォルニア州サンディエゴを本拠地とし、ABA史上唯一のエクスパンションチームとして誕生しました。しかし、その道のりは決して平坦ではありませんでした。

ウィルト・チェンバレンとの契約と挫折

1973-74シーズン、コンキスタドアーズはプレイオフ進出を機に、NBAのスター選手だったウィルト・チェンバレンと選手兼コーチとして破格の60万ドルで契約を結びました。しかし、ロサンゼルス・レイカーズがチェンバレンの移籍を阻止。結局、チェンバレンはコーチとしてのみチームに帯同することになりました。この一件は、彼の自叙伝にも記されています。このシーズン、チームはプレイオフに進出したものの、1回戦で敗退しました。

チーム名変更と観客動員数の低迷

3シーズン目の1974-75シーズン、コンキスタドアーズはチェンバレンを失い、ようやくサンディエゴ・スポーツアリーナを本拠地として使用できるようになりました。しかし、チェンバレン不在の影響は大きく、観客動員数は伸び悩みました。

1975年、チームはデンバー・ナゲッツの共同オーナーとして成功したフランク・ゴールドバーグに売却され、チーム名はサンディエゴ・セイルズに変更されました。ゴールドバーグは、ミネソタ大学のビル・マッセルマンをヘッドコーチに招聘し、チームの立て直しを図りました。しかし、1975年10月24日の開幕戦にはわずか3,060人しか観客が集まらず、その後も観客動員数は低迷。サンアントニオ・スパーズとのホームゲームでは、わずか1,670人という記録的な数字を叩き出してしまいました。

チーム解散とABAの終焉

ゴールドバーグは、サンディエゴがABAとNBAの合併構想から外されていることを知ります。これは、ロサンゼルス・レイカーズのオーナーが、カリフォルニア州南部に新たなチームが加わることを拒否したためだと伝えられています。ファンの支持が得られない状況に加え、将来への見通しが立たなくなったゴールドバーグは、11月12日にチームの解散を決断しました。

サンディエゴ・セイルズの崩壊後、ボルチモア・クロウズやユタ・スターズといったチームも相次いで経営難に陥り、ABAは7チームにまで縮小。リーグ消滅への道をたどることになりました。1976年、NBAはABAから4チームを吸収し、ABAはその歴史に幕を閉じました。

サンディエゴにおけるプロバスケットボールの苦難

サンディエゴには、1967年から1971年までサンディエゴ・ロケッツというNBAチームが存在しました。ヒューストン大学出身のエルヴィン・ヘイズを獲得しましたが、十分な支持を得られず、テキサス州ヒューストンに移転しました。1978年には、NBAのバッファロー・ブレーブズがサンディエゴに移転しましたが、1984年にはロサンゼルスに移転し、ロサンゼルス・クリッパーズとなりました。その後、サンディエゴにプロバスケットボールチームは誕生していません。

サンディエゴ・コンキスタドアーズ、そしてサンディエゴのプロバスケットボールチームの歴史は、成功への道のりの厳しさを物語っています。

歴代ヘッドコーチ

K・C・ジョーンズ（K.C. Jones） 1972-73
ウィルト・チェンバレン（Wilt Chamberlain） 1973-74
アレックス・グローザ（Alex Groza） 1974-75
ベリル・シプリー（Beryl Shipley） 1974-75
ビル・マッセルマン（Bill Musselman） 1975-76

外部リンク

San Diego Conquistadors page at RememberTheABA.com

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