サンドのお風呂いただきます

NHK総合テレビで放送されていた紀行バラエティ番組。人気お笑いコンビ、サンドウィッチマンの冠番組であり、彼らが日本の温泉地を巡り、そこで暮らす一般家庭の温泉風呂に入らせてもらうというユニークな企画が中心となっていた。レギュラー放送は2019年 4月3日から2021年9月22日までおよそ2年半にわたり続き、放送終了後も不定期で特別番組として継続されている。

番組内容

番組のホストはサンドウィッチマンの伊達みきおと富澤たけしが務め、毎回ゲストが一人または複数名参加する形式で進行された。ナレーションは歌手のコムアイが担当し、独特な語り口で番組に彩りを添えた。

番組の根幹を成す企画は、日本の様々な温泉地を訪ね、その土地に住む一般の方々の自宅のお風呂に入れてもらうというもの。ただし、単なる家庭風呂ではなく、自宅に温泉を引いている家庭の湯船に浸かることが番組のハイライトであった。露天風呂付きの豪華な湯船や、歴史ある温泉の源泉かけ流しの風呂など、各家庭自慢の個性豊かなお風呂が登場した。

お風呂以外にも、旅先での楽しみとして、その土地ならではの郷土料理や話題のご当地グルメを味わう場面も多く描かれた。また、お風呂を貸してくれた家庭の人々をはじめ、地域住民との触れ合いを通じて、その土地の文化や温かい人情に触れることも番組の大きな魅力の一つとなっていた。

放送の歩み

番組はレギュラー放送開始に先立ち、2018年 1月4日に『湯けむり人情バラエティーお風呂頂きます』というタイトルで一度単発番組として放送された。その後、『サンドのお風呂いただきます』と改題し、レギュラー化前にさらに2回単発での放送が行われた。

満を持して2019年 4月3日よりレギュラー放送がスタート。毎週水曜日の20時15分から20時42分までの約30分枠でNHK総合テレビにて放送された。再放送は原則として日曜日の13時05分から行われていたが、一部地域では休止の場合もあった。特に、関西地方では時間帯の関係で、日曜日の再放送が実質的に本放送となるケースも見られた。

レギュラー放送分の番組は、放送終了後にNHKオンデマンドで有料配信されたほか、2019年8月28日放送分からは民放の見逃し配信サービスTVerでも1週間限定で無料配信が開始され、より多くの視聴者がアクセスできるようになった。さらに、2020年3月からはNHKの同時・見逃し配信サービスであるNHKプラスでも配信が行われるようになった。

レギュラー放送の終了と特番での継続

レギュラー放送は、2021年9月22日の放送をもって終了を迎えた。これは、同年9月29日より同じ水曜20時15分からの時間帯で、サンドウィッチマンが引き続きMCを務める新番組『ロコだけが知っている』（NHK大阪放送局制作）のレギュラー放送が開始されたためである。これにより、『サンドのお風呂いただきます』は約2年半のレギュラー放送の歴史に幕を閉じた。

しかし、番組自体はレギュラー放送終了後も継続されることになり、不定期での特別番組として放送される形式に移行した。特番としての第1弾は、2022年 1月2日に正月特番として放送され、歌舞伎俳優をゲストに迎え、時間を拡大して届けられた。

訪れた温泉地とゲスト（一部）

番組では日本各地の様々な温泉地を訪れた。単発放送時代には兵庫県の新温泉町（ゲスト：スピードワゴン）や神奈川県の湯河原温泉（ゲスト：千鳥、五月みどり）、箱根温泉（ゲスト：岡田圭右、八代亜紀）などを訪れた。レギュラー放送初期には、大分県の別府温泉（ゲスト：飯尾和樹、秋山竜次）や栃木県の鬼怒川温泉（ゲスト：TKO）などが取り上げられた。

テーマ曲

番組を彩る音楽も特徴的であった。オープニングテーマとして水曜日のカンパネラによる楽曲「ディアブロ」が使用され、番組のメインテーマとして本編中でも度々流れた。オープニングのトーク部分では、むとうかんぺい・むとうりつこの「天使のパンツ」が使われた。エンディングでは、クレモンティーヌが歌う「いい湯だな」が番組の余韻を心地よく締めくくった。

サンドウィッチマンの親しみやすい人柄と、日本の美しい温泉地の風景、そしてそこで出会う人々との温かい交流が融合した、心温まる紀行バラエティであった。

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