五月みどり

五月 みどりの人生と業績

五月みどり（さつき みどり）は、1939年10月21日に東京都江戸川区に生まれた、日本の女性歌手、タレント、女優、画家である。彼女は本名を大野フサ子として知られ、その後五月の名前で広く認知されることになる。彼女は東京都立深川高等学校を卒業後、中退し、多彩な才能を開花させることになる。

母は山形県舟形町出身で、父の大野房次郎は鹿児島県から江戸川区で精肉店を営んでいた。五月は8人兄弟の長女として育ち、父の影響で小さい頃から演技や歌に親しんできた。6歳からは日本舞踊を始め、8歳には舞台に立つ素晴らしい才能を見せていた。さらに、彼女は歌を愛していたが、ラジオの「のど自慢大会」ではあまり成果を上げられなかった。しかし、1956年、ニッポン放送の『ものまねのどじまん』で優勝。作曲家の宮城秀雄の目に留まり、彼に師事することとなる。

1958年に「お座敷ロック」でレコードデビュー。なかなか成功には至らなかったが、次第に豊かな魅力が評価され、1961年に発売された「おひまなら来てね」が大ヒット。これにより彼女は一躍スターとなり、1962年には『NHK紅白歌合戦』に初出場し、以降も数回の出演を果たす。彼女の「来てね」シリーズや「温泉芸者」、さらには「熱海で逢ってね」など、数多くのヒット曲をもっていて、特に彼女の美貌と独特の「ちりめんビブラート」は多くのファンを魅了した。

1965年に結婚し一時芸能界を引退するも、数年後に離婚し再び活動を再開。1970年代にはタレント活動や女優業にシフトし、1975年には主演ポルノ映画『五月みどりのかまきり夫人の告白』で話題を呼ぶ。若々しい肉体と大胆な演技で衝撃を与え、この作品は熟女ヌードの先駆けとも評価されている。彼女は「面白そうと思ったことはすぐやってみたくなる」と語り、コロナ禍においても意欲的に新たな挑戦を続けている。

彼女の芸能活動は多岐にわたり、バラエティ番組『クイズダービー』の初代レギュラーとしても知られ、また映画やドラマにも多く出演してきた。1984年のドラマ『昨日、悲別で』では、主人公の母親役を演じ、彼女の人生経験が活かされた演技が高く評価された。さらに、1997年から2007年にかけて放送された『伊東家の食卓』では「お母さん」として広く知られるようになる。

私生活においては、3度の結婚歴があり、非凡なタレントとしての側面とは別に、彼女の選択や試練も多く存在した。最初の夫との間に一男一女をもうけつつも、家庭での苦労を語るなど、人間的な側面も伺える。現在は多くの活動を続けており、着物デザインや雑貨店の運営など、多様なジャンルでの活躍を見せている。

2020年以降は健康面への配慮から芸能活動は控え気味だが、元気に暮らしていると報じられている。80歳を超えた今でもその美貌を保ち続けている彼女は、歌手としてのキャリアだけでなく、女優、画家としても、異なるジャンルでの存在感を放ち続ける、まさに日本のエンタメ界の重鎮である。近年では、特にコロッケの唄を通じて龍ケ崎市のコロッケ親善大使にも任命され、多方面での貢献を続けている。彼女の多彩な才能と卓越したキャリアは、今なお多くの人々に影響を与え続けている。

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