サンフランシスコ (原子力潜水艦・初代)

USSサンフランシスコ（SSN-711）

USSサンフランシスコ（SSN-711）は、アメリカ海軍のロサンゼルス級原子力潜水艦であり、艦名はカリフォルニア州の都市サンフランシスコに由来しています。この艦はロサンゼルス級の24番艦であり、同名の艦としてはニューオーリンズ級の重巡洋艦以来、3隻目となります。

艦歴

サンフランシスコは1975年8月1日にバージニア州のニューポート・ニューズ造船所で建造が開始され、1977年5月26日に起工、1979年10月27日に命名された後、1981年4月24日に就役しました。就役後、サンフランシスコは太平洋艦隊の潜水艦部隊に配属され、母港である真珠湾に配備されました。1982年、1985年、1986年の各年には第7艦隊での配備を完了し、複数の作戦任務に参加しました。特に1985年と1988年には第7潜水戦隊から戦闘効率賞を授与され、艦の戦闘能力を評価されました。

1989年から1990年にかけて真珠湾で近代化改修が行われ、その後西太平洋へと派遣されました。1994年には、その戦術行動により部隊勲功章を受章し、その能力を証明しました。2002年12月18日には新たな母港であるグアムのアプラ港に到着しました。

衝突事故

しかし、2005年1月8日、サンフランシスコはグアムの南方560kmの海域で海山に衝突するという事故が発生しました。この事故は午前2時頃に起き、艦は500フィートの深さで35ノットの速度で航行中でした。衝突により、艦の船体は激しく損傷し、前部バラストタンクが破裂。これにより船体の浮力は著しく低下しました。乗組員23名が負傷し、そのうち1名が頭部外傷で命を落としました。衝突による内部損傷や原子炉への影響は報告されませんでしたが、大きな修理を必要としました。

事故の後、サンフランシスコは浮上し、護衛付きで1月10日にグアムに到着。その結果、海軍は他の艦船との衝突は否定しました。後の調査では、海図に記載されていなかった海山に衝突したことが判明し、艦長が航行手続きに問題があったことが明らかになりました。これにより、艦長は解任され、他の乗組員にも懲戒処分が科されましたが、多くの士官には賞賛状やメダルが授与されました。

事故後、サンフランシスコはピュージェット・サウンド海軍造船所での本格修理が決まり、2005年8月26日に到着しました。艦の前部区画が大きく破損していたため、修理のために退役したホノルルの部品が使用され、2008年10月10日に交換工事が完了しました。2009年4月には修理作業が完了し、サンディエゴに母港を移しました。

艦種転換

サンフランシスコは2016年10月に最後の哨戒活動を終え、ノーフォークに母港を変更して退役式典を迎えました。今後、カリフォルニア州チャールストンにある海軍原子力訓練コマンド隷下の原子力学校にて繫留訓練艦として運用される予定です。サンフランシスコは、海軍における重要な歴史を持つ艦となりました。

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