サン・パウ病院

サン・パウ病院（Hospital de Sant Pau）は、スペイン・バルセロナに位置する、ユネスコの世界遺産に登録された病院施設です。1997年、カタルーニャ音楽堂と共に「バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院」として登録されました（ID884）。

この病院は、モデルニスモ建築の傑作として知られる美しい建物群で構成されており、2009年まで実際に病院として利用されていました。しかし、建物の老朽化に伴い、診療機能は隣接する新病棟へと移転しました。その後、建物は修復作業が進められ、修復が完了した一部は一般公開されており、多くの観光客や建築愛好家が訪れています。

建築

サン・パウ病院の建築は、モデルニスモ様式を代表する壮麗なものです。建設は1902年（または1901年）から1930年にかけて行われました。設計を手掛けたのは、カタルーニャ音楽堂と同じく、著名な建築家リュイス・ドメネク・イ・ムンタネーです。病院の敷地は145,000平方メートルにも及び、48もの建物が立ち並ぶ巨大な複合施設です。

この病院は、1401年からバルセロナ市内に存在していた6つの病院を統合して設立されました。これらの病院を統合することで、より大規模で近代的な医療施設が実現されました。

世界遺産登録基準

サン・パウ病院は、その普遍的な価値が認められ、以下の世界遺産登録基準を満たしています。

(1) 人類の創造的才能を表現する傑作： モデルニスモ建築の傑作として、そのデザインと構造は人々の創造性を際立たせています。
(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの： 19世紀末から20世紀初頭にかけてのモデルニスモ様式の発展を示す重要な例であり、当時の建築技術やデザインの交流を反映しています。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例： モデルニスモ様式の特徴を色濃く残す建築群は、当時の社会や文化を現代に伝える貴重な遺産です。

ギャラリー

（画像に関する記述はここでは省略します）

脚注

(脚注の内容はここでは省略します)

関連項目

カタルーニャ音楽堂：サン・パウ病院と同様に、リュイス・ドメネク・イ・ムンタネーが設計したモデルニスモ建築の代表作です。
コクラン共同計画：医学研究の質を向上させる国際的な組織で、サン・パウ病院にはスペイン支部が存在します。

外部リンク

サンパウ病院（カタルーニャ語ほか）：公式サイトへのリンク（ここでは省略します）

サン・パウ病院は、その歴史的価値と建築美から、世界中から多くの人々が訪れる場所となっています。モデルニスモ建築の粋を集めた壮大な建物群は、見るものを魅了し、歴史と文化を感じさせてくれるでしょう。かつて病院として人々の健康を支えたこの場所は、現在では文化遺産として、その価値を未来へと伝えています。

もう一度検索