サン・フランシス (駆逐艦)

USS Bancroft（バンクロフト）

USS Bancroftは、アメリカ海軍において重要な役割を果たした駆逐艦で、クレムソン級に属します。艦名は著名な教育者であるジョージ・バンクロフトに由来し、彼の業績が称えられています。後にこの艦はカナダ海軍に移籍し、サン・フランシスという名前で更に活躍しました。

艦の建造と艦歴

バンクロフトは、1918年11月4日にマサチューセッツ州クインシーのベスレヘム造船のフォアリバー造船所で起工され、1919年3月21日に進水、同年6月30日に就役しました。この艦は大西洋艦隊に編入され、戦術的な任務に従事開始しました。しかし、1919年11月26日に予備役入りし、1922年7月11日に退役しました。

再び1919年から1939年までの間、バンクロフトは一時的にその活動を停止していましたが、1939年12月18日に再就役し、大西洋戦隊に所属しました。そして、ハリファックスでの任務を終え、1940年9月24日にイギリスに引き渡されました。

その後、カナダ海軍に配属され、サン・フランシスとの新たな名前で活躍することに。1941年1月15日にハリファックスを出発し、スコットランドのクライド川に到着しました。ここで第4護衛グループへ編入され、重要な作戦に従事しました。

戦闘および護衛任務

1941年5月20日、サン・フランシスは潜水艦に沈められた汽船「Starcrose」の生存者全員を救助し、その功績が称賛されました。また、6月末には中東へ向かう兵員輸送船団の護衛、さらに7月にはニュー・ファウンドランド護衛部隊に編入された組織の一員として重要な任務を果たしました。

1941年から1943年の間、Mid-Ocean Escort ForceのC4護衛グループに所属し、ON95、SC85、ON105、HX197、ON116船団の護衛を行い、敵潜水艦に対する攻撃も展開しました。護衛の任務は引き続き行われ、時にはC3やC1護衛グループにも所属し、ON121やSC99、ON147船団の護衛にも携わりました。

修理と訓練

ハリファックスでの修理後、1943年6月にサン・フランシスはウェスタンアプローチ管区のC2護衛グループに編入され、さらにその後北アイルランドのロンドンデリー港を拠点とする第9護衛グループに移りました。1944年にはノバスコシア州のDigbyで訓練艦として使用され、戦争の終息を迎えつつありました。最後には1945年4月1日に余剰艦として扱われました。

沈没

1945年7月、この艦は解体のためボルチモアへ移動中、コッド岬沖で衝突事故に遭い、沈没されることとなりました。その歴史の中で、多くの経験と思い出を残したバンクロフト/サン・フランシスは、アメリカ海軍とカナダ海軍の両方にとって重要な艦船でした。

もう一度検索