サン・ミジャンのユソ修道院とスソ修道院

スペインのラ・リオハ州、サン・ミジャン・デ・ラ・コゴージャに位置する「サン・ミジャンのユソ修道院とスソ修道院」は、その歴史的、文化的価値からユネスコ世界遺産に登録されています。この世界遺産は、数百メートルしか離れていない二つの修道院、スソ修道院とユソ修道院で構成されています。

スソ修道院は、より古く、10世紀のレポブラシオン（再入植）期の建築様式を色濃く残しています。岩壁に寄り添うように建てられた教会には、張り出したアーチに支えられた3つの穹窿があり、簡素ながらも力強い印象を与えます。内部には、11世紀に拡張された聖オリア礼拝堂や、12世紀の聖エミリアヌスの横臥像が安置された祈祷所があります。また、西ゴート王国時代に岩をくり抜いて作られた小さな礼拝堂群や、ロマネスク様式の聖エミリアヌスの墓も見ることができます。

スソ修道院の回廊には、ララ家の11人の子供たちとその教師の石棺、さらに3人のナバラ王国の女王たちの石棺が安置されています。また、13世紀にラ・リオハで生まれた修道士であり、作家であったゴンサロ・デ・ベルセオの墓もあります。教会のそばには、洞窟に葬られた修道士たちの共同墓地も存在します。

この修道院は、現存する最古のカスティーリャ語文書が書かれた場所としても知られています。977年、聖アウグスティヌスのラテン語の注釈書『Glosas Emilianenses』を筆写した際、写字生が欄外にカスティーリャ語訳を書き残したのです。

ユソ修道院は、「ラ・リオハのエル・エスコリアル」とも称される壮大な修道院で、カルデナス渓谷に位置しています。1050年に建てられたルネサンス様式の修道院でしたが、1367年にエドワード黒太子によって破壊され、その後再建されました。現存する建物は、16世紀から18世紀にかけて再建されたもので、ルネサンス様式やゴシック様式が混在しています。

1504年に建設が始まった教会は、3つの身廊を持つ後期ゴシック様式で、18世紀に完成しました。1661年に作られた修道院の入り口には、ムーア人殺しの聖エミリアヌスを描いたレリーフが飾られています。1689年に作られた玄関ホールは、「諸王のサロン」へと続いており、そこには修道院から祝福を受けた王たちの肖像画が飾られています。

主祭壇の祭壇画は、エル・グレコの画派に属するフアン・アンドレス・リシによる17世紀の作品で、格子枠も同時期に作られました。教会奥には、きらびやかに飾られた説教壇があります。かつて教会参事会室だった18世紀の聖具室には、金色の木像が並び、天井にはフレスコ画が描かれています。

回廊は二階建てで、下階は16世紀中葉のゴシック・フランボワイヤン様式、上階はルネサンス様式で構成されています。修道院の小さな美術館には、フアン・アンドレス・リシやムリーリョの宗教画、12世紀の聖母像など、ルネサンス期からバロック期にかけての美術品が展示されています。

美術館のそばにある祈祷所には、11世紀の象牙製の聖遺物箱2つが納められています。聖エミリアヌスの櫃は1067年から1080年に、聖フェリクスの櫃は1090年に作られたものです。これらの櫃は1944年に修復されましたが、象牙の板自体は当時のまま残っています。

修道院の図書館には、10世紀からの貴重な写本を含む1800点もの資料が保管されています。『Glosas Emilianenses』の複製や、多くのコデックス、インキュナブラも所蔵されており、11世紀から16世紀にかけての文書類が驚くほど豊富です。

世界遺産としての登録対象は、以下の二つです。

ユソ修道院と修道院菜園群
スソ修道院と考古学的遺跡群

これらの修道院は、以下の世界遺産登録基準を満たしています。

(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
* (6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの。

もう一度検索